StLtH19 (ページ45)

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PAST VIー３ページ45

神「部屋荒れてんな！(笑)」

「うるさい」

神「片付けしよっか？」

「いいよ」

神「ダメ、こんなところにいたら心がどんどん元気なくしてくよ」

じんは不器用な手付きで、私の部屋に散らかったそれを片付けて。

ガラスの破片の間に挟まる私の写真を手にして、すごく優しい目をしてそれを見つめた。

神「これ、可愛いね」

そうやって嬉しそうに見せてくる。

「もう要らない」

神「じゃあ、俺が貰う(笑)」

意味がわからなくて、彼を無視してベッドの上に腰掛けた。

毎日会いに来る彼を、疑問に思う。

「何で私に構うの」

神「・・・」

その背中に問いかけると驚いたように肩を上げた。

神「なんでかな」

「私がいなくても、じんの世界は廻るでしょ」

神「・・・」

「私なんか、気にしないでよ」

時間の無駄だよ、と口にしては私は「帰って」と彼に言った。

じんはそういう私をじっと見つめて、ベッドに座る私の隣に腰掛けてから「Aはさ、」と真っ直ぐに私を射抜いた。

神「・・・紫耀のこと待ってんの？」

「・・・。」

神「ここに来てくれるのが紫耀だったらいいとか思ってる？」

「・・・」

間違いなく答えは「イエス」だ。

私は彼を、待ってるのだ。

じんの真っ直ぐな目に何も言えなくなって、ただ頷く。

神「紫耀は、戻って来ないよ」

今まで聞いたどの声よりも冷静で、冷たくて、胸を抉る。

「・・・っ、」

はっきりとそう言われて、泣くことしかできない。

いつか紫耀が迎えに来てくれると信じている自分が嫌だった。

じんの言う通り、きっと・・・もう彼はいない。

「もういないなら、」

神「・・・」

「じゃあ、忘れるしかないの・・・？」

神「うん」

でも。

忘れられるわけない。

そんなの、無理。

「しょうは、どこ・・・？」

やっと言えたその言葉に苦しいほど胸を締め付けられる。

居なくなってしまった、大事な人。

じんは泣く私の手を握って、「ねえ、A」と私を呼んだ。

神「親友になりたいって言ってくれたの、まだ有効？」

「・・・え？」

まだ有効ならさ、と口にして私の小指を自分のと絡ませると「なろうよ、親友に」と温かい目線で私を包み込みそう呟いた。