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本当は分かっていた。
じんが私のために別れを決断してくれたこと。


何から何まで本当に私に優しい人だから、
その優しさに最後まで甘えて、私は自分から変わろうとしなかった。


どんどん自分が嫌いになって、

こんなんで、じんに会えるはずなんてなくて。




遠くから焦った顔の玄樹が病室に入ったのを見て私は、「ごめんね。ほら顕嵐も戻って」と言った。




「みんな居た方がいいでしょ」

顕「お前も」

「・・・」


首を振る私に顕嵐は少し黙ると、「じゃあ病室の外で待ってて」と口にした。



それを聞いて私は素直に顕嵐の言うことを聞いた。









顕嵐が病室に入るのを見届けて、扉の近くで耳を立てる。







玄「もう、なにやってんの!?」

神「ははっ、ごめん」

「っ、・・・」




じんの声だ。

久しぶりに聞く、落ち着いた声に涙がまた溢れてどうしようもなくなる。

ああ・・・じんだ。




胸が苦しくなって、すべてを吐き出したくなる。

会いたい。

本当は、すごく会いたいよ。




本当は、抱きしめたいよ。




ぐっと拳を握って座り込んで泣いた。

じんの声を聞いただけで、ただ安心して。

生きててよかった、と心からそう思った。







あなたは、誰よりも幸せになるべき人だよ。

だから、こんな私なんかと一緒にいちゃダメなの。





そっと立ち上がって、その場から少し離れると「Aちゃんっ」と息の上がったサクラちゃんが居て。

泣いてボロボロな私を見て、サクラちゃんも泣きそうな顔をして私を抱きしめた。





サ「大丈夫?」

「うっ・・・」




首を振って、ただ嗚咽を零すとサクラちゃんは私の頭を撫でて「大丈夫だからね」って優しく声を出した。



彼女の優しい匂いが鼻に触れて、すべてを吐き出したくなる。

でも。









「ごめん、」

サ「・・・うん」







心配そうな顔をして私から離れると、「入ろう?」と問いかけてくる。




ただ首を振るとサクラちゃんが困った顔をして、それから顕嵐が病室から出てきた。

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設定タグ:愛美 , 森田美勇人 , 7ORDER   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:愛美 | 作成日時:2019年3月10日 20時

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