StLtH19 (ページ14)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:63,528 hit

PAST IVー１３ページ14

「こんな可愛いんだから、誰かが好きになっちゃうわね」

「もう(笑)」

穏やかに微笑むお母さんは「A、彼氏はいるの？」と小さく言う。
恥ずかしいけど、「いる」と小さくいえばお母さんは驚いたように「本当！？」と飛び起きた。

「しーっ！」

「本当に！？誰！？学校の子？」

「お母さん静かにして(笑)」

お父さんには内緒だからね、と釘を刺し「・・・この人」とスマホの画面を見せると「あら！」ととにかく驚いた声を上げる。

「仲良さそうに」

「ふふ、仲良しだよ」

「名前は？」

「紫耀」

「しょうくんっていうのね」

「紫に、輝くで、しょうって読むの」

「素敵な名前ね」

「紫耀のママが付けたんだって」

「センスが良いお母様」

お母さんはスマホを見ながら「学校のお友達？」と訊くから首を振って「バレエの子」と口にすれば「しょうくんもバレエやってるのね！？」と目を見開いた。

「うん、紫耀すごいの」

「バレエ見るの楽しみ」

「うん！」

私は写真をスライドして色々見せて、お母さんに紫耀のことをたくさん話した。
紫耀と一緒にいるのがすごく幸せで楽しいって伝えて安心させたかった。

「これは誰？」

「ああ、」

紫耀とじんとの写真が出てきて「じん。神宮寺勇太。学校の友達」と口にすれば「そう、友達なのね」と嬉しそうに微笑んだ。

「こっちも」

「あら、可愛い子」

「いわち。岩橋玄樹」

「可愛い子ね、女の子みたい」

「・・・うん。あ！そしてね、こっちは勝利くん」

「わ、また格好良い子」

「みんな紫耀の友達」

「そう、」

Aはたくさん友達がいるのね。とお母さんは穏やかに微笑むと嬉しそうに頷いた。
「みんながAと一緒に笑ってて嬉しいわ」と写真をもう一度見ると、スマホを置いて「Aが楽しいなら、お母さんは言うことないわね」と私の手を握った。

「出会う人友達になってくれた人、みんなを大切にするのよ」

「うん」

「もしかしたら、いつか嫌いって思ってしまうかもしれないけど」

「・・・うん」

「Aを楽しい気持ちにさせてくれる人たちを、悲しませてはダメよ」

「はい」

お母さんは穏やかに微笑むと「Aは本当にイイ子ね」と私の頭を撫でた。
クスッと微笑むと、「ねえ、お母さん。紫耀ってば私のこと悪い子っていうの」といえばお母さんは「本当に仲良しね」と私の話を聞いてくれた。