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北斗「大丈夫?」
リ「私、寝ちゃってた?」
北斗「うん」
リ「もう朝?」
北斗「そう」
「えー、」と眉毛を垂らすリリちゃんは、浮腫んだ〜、と顔を触ったあと何かを思い出したようにハッとして「みゅーとは!?」と北斗を見上げた。
「あー、、、」と困ったような顔をした北斗は風磨に目線を向けると「来れなかったっぽい」とリリちゃんに告げた。
風磨「アイツ、来なかったよ」
リ「風磨ちゃんとリリがいるって言った?」
風磨「うん、言った」
リ「、、、そっか。残念」
「会いたかったのに。だからずっと待ってたのに」と呟くリリちゃんは本当に悲しそうな顔してて。俺は去年のことを、思い出した。
風磨も、北斗も、さなぴーも、安井も、思い出したと思う。
樹「、、、」
ちょっとだけ気不味い雰囲気の中、安井はリリちゃんに「リリカ、昨日はケーキありがとな」って微笑むとリリちゃんは悲しい表情をやめてニコッと安井に笑い返した。
リ「ううん、楽しかった!」
謙「助かったよ」
リ「力になれて良かった!」
ふふっ、と微笑んだリリちゃんは「先に帰りますね」とみんなに頭を下げ、カバンとコート取って階段を上って行くと、それにハッとしたように北斗が「あっ、リリ!送る!」とその背中を追いかけて行った。
謙「、、、リリカ呼んだの誰?」
樹「北斗」
謙「そっか」
風「あのさ、」
謙「うん?」
風「去年のこと、アイツまだ忘れてないから」
佑「だろうな、昨日も美勇人の話ばっかだったし」
謙「本人に振られた自覚なし、か」
風「去年のことは、リリカが悪いだけじゃないから。みゅーとにだって、」
謙「ふーま、分かってるよ」
風「俺も北斗も、一応アイツの友達だから。アイツが悪いヤツみたいにされるの、嫌なんだよね」
佑「まぁ、美勇人にも非があったよそりゃあ」
謙「ただ、」
風「とにかく。リリカはちゃんと分かってるから。はっきりしてないの、美勇人の方だと思ってるから、俺は」
風磨はそれだけ言うと「俺も先に帰るわ」とその場を離れた。
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作者名:愛美 | 作成日時:2018年1月23日 12時