StLtH11 (ページ41)

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Aran Side

まだ降り止まない雨が続く夜。

窓の外の庭を見つめると真っ暗で、雨で水たまりができている。

佑「なんで今日HAGI’sキッチンなの・・・」

帰ってきて早々キッチンに立つ萩ちゃんを見て文句を零した真田くんは「Aいないの？ねぇ」って顔を顰めてネクタイを緩めた。

翔「彼氏のとこじゃね？」

モロがそういうと真田くんは不服な顔をして「アイツ最近遊びすぎ！」と呟く。

翔「Aの勝手だろ(笑)」

佑「そうだけどもー」

顕「・・・今日は帰らないって」

佑「え？」

顕「うん」

翔「なんで？」

顕「んー・・・」

言うべきなのかな、と思うけど言うのに躊躇う理由は俺も想像でしかAの気持ちがわからないから。

「帰らないって言ってた」とだけ言うとモロは「そっかー」とそう零した。

佑「・・・」

萩「はい、出来たよ」

翔「ありがとー」

「キムチあったから、キムチ鍋ね」って萩ちゃんが鍋をダイニングテーブルに置いてくれた瞬間、帰って来た謙ちゃんが「ただいまー！おっっ！いい匂い！」と笑ってこっちに入ってくる。

佑「・・・」

謙「何その不貞腐れた顔」

佑「Aが帰ってこない！」

謙「いいじゃん別に。大好きな彼氏のところですぅー」

「今日一緒にタルーレにいたよ？」と謙ちゃんは言うと「ね、顕嵐？」って俺に顔を向けて同意を求める。

顕「うん、俺もいた」

佑「え？顕嵐ちゃん、Aと神宮寺くんと３人で会ったの？大丈夫？」

顕「いや、宮近とかもいたけど・・・ってかもう大丈夫だし」

佑「仲良くなれたの神宮寺くんと」

顕「うん、普通に」

佑「マジか！」

顕「俺意外と神宮寺と好みとか似てたりして、二人でも買い物したよ」

佑「マジか！(笑)」

翔「女の好みも似てたわけだ」

顕「・・・うるさい」

謙「(笑)」

「まぁ昔のことはいいじゃん？」と謙ちゃんが笑ってダイニングの定位置に座ると、そこに怜央が帰ってきて「お腹すいた！」と満面の笑みを浮かべて鞄を放り投げるとダイニングに座った。