StLtH11 (ページ36)

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七「・・めんどくせーなぁ・・・まぁ、全部お前の勝手だけどさ」

「ただモデルになってもらうだけじゃん」としめは言う。

七「彼女になるわけじゃないのになんでそんな躊躇するわけ」

しめは、知らない。

リリカが俺に告げた、あの言葉を知らない。

言えるわけない。
自分でも口に出すのが少しだけ怖かったりする。

美「そう、だね」

七「・・・」

美「考え直そうかな」

七「そ？」

美「ん。ごめんな、なんか」

せっかく連れてきてもらったのに。と俺が申し訳なさそうに言うとしめは「本当だよ」と笑った。

七「まぁ、相葉くんに認識されただけよくね！」

美「ん、ありがと」

七「あとは満足する服を作るだけ。そして、」

「それをお気に入りのマネキンに着せるだけ」としめが言うからパッとそっちを向いて「リリカはマネキンじゃない！」と声を上げる。

するとしめは俺の顔を見て「ふは、」と吹き出すと「やっぱ、リリちゃんなんじゃん」と呆れたように呟いた。

七「・・・リリちゃんがいいんでしょ」

美「・・・」

七「ふふ、いくら考えたってどうせお前はリリちゃんがいいんだよ」

美「そんなの、」

七「うん」

決めつけんなよ、って思った。

だけど。

美「・・・、」

ふと過ぎったのは、去年のリリの姿。

初めてリリに会った時の、気持ち。

頭の中にあるデザイン画と、リリの姿がマッチした瞬間のあの気持ち。

ビビッときた、って言い現すのが正解だ。

俺は・・・リリが、いいのかもしれない。

美「・・・そうだね」

しばらく黙った俺が、そういうとしめは「ほら～」って俺の腕を肘で突っついた。

七「ねぇ、お前好きな子はいいの？」

美「ん？」

七「ほらー、シェアハウスにいる子が可愛いって言ってたじゃん」

美「あー、」

随分前に言ったよな、としめに言えば「何？もういいの？」って目を向けてくる。

七「あ！あの子じゃダメなのモデル？」

さっきまでお前はリリがいいんでしょ、とか言ってたくせに。

しめってめちゃくちゃだな、と笑いそうになる。

美「Aはチビだから無理」

七「うっわー、」

美「チビだから」

七「チビチビ言うなよ」

「俺にも言ってんの？」って嫌な目を向けてくるしめに笑えば「お前最悪ー」と不満の顔が飛んできてしめはまたポテトを食べ始める。

美「(笑)」

そんなしめを横目で眺めて俺はまた頭の中で愛美を思い出した。