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Shori Side
神「いってらっしゃーい、喧嘩すんなよ」
玄関で二人に手を振る神宮寺が面白そうにそう笑うと「しないよ!」「絶対しないから!」と二人から否定の声が飛んできて、神宮寺は嬉しそうに顔を緩めた。
勝「いいの、二人にして」
神「まぁ喧嘩したらしたで(笑)」
勝「いくつだよ、あいつら」
神「ふふ、あれでも仲良しなのよ」
「どっちも可愛いでしょ?」って神宮寺は嬉しそうに微笑んで俺を見た。
勝「お前幸せそうだね」
神「そうかもね」
今日俺は、どうしても聞きたいことがあった。
勝「あのさ・・・なんで、今になって付き合ったわけ、」
神「Aに彼女になりたい、って言われたから」
勝「・・・ふーん」
神「何?(笑)」
勝「お前、本当にあいつのこと好きなの」
そう俺が問いかけると、神宮寺はゆっくりと俺に目を向けた。
勝「・・・、」
神「・・・」
勝「・・・、」
絡まる視線に数秒間の沈黙、
その後、神宮寺は耐え切れず噴き出して「ちょー愚問なんだけど」と目を細めた。
神「好きじゃなかったら、もうとっくにギブアップしてる」
「あいつの彼氏は結構大変だよ?」と神宮寺はまた笑うと「一緒にいてやりたいの」と俺を真っ直ぐ見た。
勝「ふーん」
神「それ以外の返しなんか無いの?(笑)」
困ったよう笑う神宮寺が「で、他に聞きたいことは?」と俺に声をかけた。
やっぱ、分かってんだな。
勝「Aは、あいつのこともういいの?」
神「・・・、」
勝「まぁもう昔の話だけど」
神「あぁ」
勝「あいつは、」
神「・・・うん」
勝「嫌でAと別れた訳じゃないよ」
神「・・・」
勝「・・・知ってたでしょ」
神「知ってたよ、もちろん」
勝「なら別れた原因は、」
俺がそう口にするとじんは「Aにあるって言いたいんでしょ?」と俺の言葉を遮った。
神「全部知ってるよ、あいつが別れを切り出さないといけなかった理由も」
勝「・・・」
神「全部知ってて、Aに教えなかった」
勝「なんで」
神「・・・決まってんでしょ」
ーアイツの所に戻って欲しくなかったから
淡々とそう告げるその目は見たことないくらい、冷たかった。
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作者名:愛美 | 作成日時:2018年1月23日 12時