StLtH5 (ページ39)

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ランチ後電車で嵐山に向かう。

電車でお腹いっぱいな私は眠気と戦ってなんとか起きて。

電車を降りて、渡月橋まで。
穏やかに流れる川の上の橋を渡り緑いっぱいの景色を眺める。

「風が気持ちいいね」

神「うん。」

横を歩くじんを見つめて笑うと「だから俺ばっかり見んなよ」と私に呆れた顔をする。

なんでか分からないけど、とっても彼が愛しくなる。

愛しくて。

途端に息が止まりそうで。

苦しくなった胸を治めるように、じんと絡めた指に力を込めた。

渡月橋付近を歩き進めると、竹林の小径の道が真っ直ぐあって、そこを歩き進める。

竹の間から光が溢れてとっても綺麗。

そこを暫く散歩して、落ち着いた時間を過ごした。

そして時刻は16時。
私達は最後のスポットに来ていた。

そこは私がどうしても行きたい、と言ってた場所。

一年を通して鈴虫が鳴く声を聞くことが出来るお寺。

鈴虫寺。
ここは、どんな願いも叶う場所らしい。

人がたくさんいるそのお寺に入ると、住職さんが28年の研究の末に秋しか生きられない鈴虫を四季を通じて生息できるようにした鈴虫の心和む鳴き声が聞こえた。

そして、私がここに来たかった理由は説法にある。

説法と聞くと難しいイメージで、眠くなるのが普通だけどここのは違う。

まるで落語のような説法の語りだしに思わず笑みが溢れた。