StLtH5 (ページ21)

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毎年している野外調査なだけあって、スムーズに時間は進む。

テラ先輩は優しいし、分からないことは的確に教えてくれる。

足場の悪い所はちゃんと手を握って支えてくれるし、一緒に居て苦など一切ない。

テラ先輩と仲良くなって友達みんなに「なんで寺西先輩を好きにならないの？」って言われてたし、自分でもこんなになんでも頼ってしまって申し訳ないなって思ってしまう所もある。

だけど、弱い自分を見せて甘えられる人はテラ先輩だけで。

でも、それよりも、私の翔希先輩への想いが大きすぎて。

もう行き場のないこの想いに、苦しめられる。

拓人「ミレイちゃん？」

「あ、はい。」

拓人「ぼーっとしないでよ(笑)」

「ごめんなさい」

調査が終わり日が暮れてしまった時間にテントに戻る。

拓人「モロのこと考えてるでしょ？(笑)」

「え？」

拓人「モロのこと考えてる時にする顔してたから」

「ウソ、」

ふふっと笑ったテラ先輩はテントの前に座って「この前どうだったか知らないけど」と口を開く。

拓「後悔だけは、しないで」

テラ先輩は得意の優しい笑顔で微笑んで。

なんだか、泣きたくなった。

ううん、泣いてた。

こんなに応援してくれてるのに、

こんな温かい人に応援されてるのに。

溢れた涙拭いて「はい」としっかりテラ先輩の顔を見て頷いた。