StLtH5 (ページ2)

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そりゃ俺の親友だぜ？
モテない訳ない。

中学時代、同じサッカーチームに所属していた俺と寺西。練習によく顔をだしてたコーチの娘で同級生のヒカリちゃんを、俺は好きだった。仲良くなって、このままって思ってたある日ヒカリちゃんが「寺西くんが好きなの」と俺に協力を求めてきた。それに「応援するよ！」と返事をしてしまい、俺はその物語の友人Aになった。

高校時代、隣の席に座っていたユカちゃんは元気な子で毎日二人で爆笑しながら話すのがお決まりになっていたしそりゃ、何回か出掛けたり、映画観に行ったりしたけど、一回だけ寺西も連れて一緒にライブに行った次の週「寺西くんが好きかも」と報告され呆気なく撃沈。俺はまた好きな人にとっての友人Aになった。

そして、大学時代一年生の時に仲良くなったサラちゃん。今度こそは！と思っていろいろデートとか、好かれる努力をしたものの、サラちゃんは俺が寺西と仲良いことを知ると「紹介してよ？」と俺を使って寺西に近づこうとした。

あぁ、なんでいつもこうなんだ。
そりゃ、今の今も寺西はなにも知らずに生きてるし、俺が好きだった女の子達は寺西にアタックする前に寺西に彼女が出来たりとくっつくことはなかったけど。

いつまで経っても俺は友人Aのまま。

別に主役になりたい訳ではない。
ただ、もしかしたら俺って好きな女には振り向いて貰えない運命なのかも？と思ったりする。

でも、好きな女の子に見てもらえないだけで、まったく女経験がなかった訳じゃないんだ。

そりゃあ何回か告白もされたり、付き合ってそれなりにやることはやったし、ちゃんとその子を好きになれた。

だけど、何が違う。

愛を与えられる側より、愛を与える側にありたい。

男として、そう思ってるんだ。

俺は人間関係で困ったことはないし、嫌なことは自分が我慢すればいい。

所詮、楽しければなんでもいい。

辛いことなんてなかったことになるくらい楽しめばいい。

常にそう思ってた。

俺に吃驚するくらいの大きな展開なんて要らないんだよ。

壮大なラブストーリーは俺の柄じゃない。

ああいうのは主役タイプの顕嵐にやらせればいい。

友人Aの役所の俺は、自分の世界を楽しめればいいんだ。

だけど。

これから思いもよらないことが起きるなんて。

亀も蛇も吃驚だよ。