StLtH2 (ページ6)

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謙「A、海好き？」

「好きだけど泳げない」

ふはははと笑った謙さんとミラー越しに目が合う。

「だから泳がないし、荷物係します」

謙「えーつまんないのー」

「あ、でも泳げないの言わない方がいいよ？」と私の方を向く。

「なんでですか？」

謙「あの人達意地悪だから無理矢理海の中入れられるよ(笑)」

「絶対ヤダ(笑)」

そんなことを謙さんと話していると車の外からうるさい声。

ウインドーを下げると怜央くんがいた。

怜「俺こっちがいい！」

萩「おれもそっちがいい！」

モロ先輩が呆れた顔をして、さなさんがやれやれと苦笑いする。

顕「ダメでーす」

美「遅くなるから早くしよーよ」

まだぎゃーぎゃーしてる怜央くんを見つめて細く笑い、不意にさなさんに視線を合わせると。

意味深に微笑むさなさんが自分の車を目で指した。

ああ、言いたいことがわかった(笑)
お前がこっち来い、と(笑)
はいはい(笑)

「謙さんごめんね(笑)」と運転席にいる謙さんに微笑んで車を出る。

怜「え、」

さなさんの元へ行くとこの展開を待ってましたと言わんばかりに助手席を開けてくれる。

萩「Aどこ行くの？」

美「えー！！！」

鼻で笑ったモロ先輩が「じゃあ、」と後部座席に乗り込む。

「私がこっち乗るから怜央くんと萩ちゃんそっち乗っていいよ？」

佑「お前ら優しいAを見習え？」

さなさんがしてやったり顔で笑う。

美「Aに裏切られた、」

萩「あ、俺やっぱあっちでいいやー！」

怜「あ、おれも！」

佑「ざけんなお前ら(笑)」

顕「悪い女(笑)」

「人聞き悪いなぁ」

ため息を吐いた顕嵐が「じゃんけんね！」と片手を高く上げた。