StLtH2 (ページ25)

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「なんで？こんなに勇気出したのに！」

「エリカ、落ち着けよ」

「なんでエリカばっか好きなの、」

「なんでけいちゃんはエリカを好きになってくれないの？！」そう叫ぶエリカの目尻から次々涙が溢れる。

「なんでけいちゃんはエリカのことわかってくれないの？！エリカばっかり！」

そういうエリカこそ俺のこと、分かってないくせに。

「お前だって俺のことわかってねーだろ」

「分かる！分かるの！」

「わかってねーよ」

「けいちゃんのことずーっと見てきたんだよ？けいちゃんのことは誰よりも分かるの！」

「だったら俺だってお前のことわかってるよ！」

「わかってない、けいちゃんはわかってない！」

ねぇ、エリカ。

こんくらいバカなことで本気で喧嘩したこと、あったっけ。

「はぁ？」

脳内では冷静な自分がいるのにも関わらず、素直になれない。

「エリカばっかり！もう疲れた！もうやめたい、もうけいちゃん好きなのやめたい、」

その言葉に頭に血が上った。

その次の瞬間、俺は思ってもいない事を言ってしまった。

「いいよ、じゃあ。」

「けいちゃん、、」

「やめろよ、俺を好きでいるの、やめろよ」

「なんで、、」

「俺だってお前に俺を好きになってくれって頼んでねーよ」

俺のその言葉にエリカの瞳が色を亡くして、ヤバイ。そう思った時にはリビングに俺だけが残っていた。

なんで素直になれないんだろう。

エリカは小さい頃から俺の隣にいてくれた。

5歳の誕生日の時両家で祝って貰って、エリカが俺の親の前とエリカの親の前で俺に「けいちゃんがだいすきです」って手紙を読んでくれた記憶も。

小1の時毎日手を繋いで登下校をして、帰る時にやたらと周りの木や葉っぱが気になって中々進まないエリカを引っ張って帰ったのも覚えてる。

小6になって俺が毎年くれるチョコを意地張っていらないと言った時も、こっそり俺のランドセルに入れてくれたり。

中2で自転車の後ろに乗せて河原にいったり。

高2の時、2人で一緒にフェスを見に行った記憶も、全部全部覚えてる。

もうエリカは俺の一部なのに。
なんであんなこと言ったんだろう。

そんなことを後悔しても、もう遅いのに。
はぁとため息を付きダイニングに項垂れたら、

Aの声がした。