StLtH1 (ページ5)

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「居るから、挨拶しとく？」そう首を傾げた。

「ああ、じゃあ・・・」

私が頷くと安井さんは笑ってこっちだよ。と私の隣の部屋を指した。

謙「あらーん」

安井さんが、『ALAN』と書かれた扉の前でその名前を呼ぶと中から「なにー？」と緩い声。

あらん、ってすごい名前だなと思ってどういう字なのか想像する。

そしたら、ガチャリと開いた扉から出てきた人に目が釘付けになった。

「・・・だれ？」

ボサボサの金髪ヘアがややプリンで、しっかりした眉毛、バッキバキの目。
開いている口元から覗く綺麗な歯。

どこからどう見ても「イケメン」だった。いや、「美男」だった。

白Tにグレースウェットがこんなに似合う男、いるんだ。

「あ、、加藤Aです」

若干見惚れて、返事するのが遅くなったが彼は眠そうな目で「サユリさんの姪っ子さん？」と聞いてきた。

「はい、お世話になります。」

謙「顕嵐と同い年だよ」

顕「そうなんだ」

謙「顕嵐は社会学部に通ってるんだよ」

「そうなんですね！」

顕「Aちゃんは？」

「あ、私は建築学です。」

顕「へーすごいね、大変そう」

彼はふふっと笑って「まー宜しく」と言った。

「はい。」

優しくて、いい人だなぁ。

ちょっと近寄りがたいけど。

なんだかんだ、仲良くなれそうかもしれない。

同い年だし。

「下で、おやつでも食べる？」という安井さんにつられ、安井さんと顕嵐くんと階段を下りてキッチンのバーカウンターに座る。

謙「プリンあるけど、A食べる？」

普通に呼び捨てされたけど、なんだか違和感がないのは安井さんだからなのか。

特に気にすることなく私は返事をした。

「あ、いただきます。」

カウンターの向こう側でプリンを用意してくれる安井さん。

なんか、カウンターと安井さんって似合う・・・？

そういえば、お仕事何してるんだろう。

顕「Aちゃん」

顕嵐くんが隣に座るとやけに香る香水に若干ドキッとしながら、そっちに顔を向けると思わず目を細めてしまいそう。

だって、まぶしい。

この人はキラキラしすぎてる。

顕嵐くんが口を開こうとした瞬間、バタン！とドアが開き吃驚してそっちに目を向けた。