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目が覚めてすぐに顕嵐の部屋に行った。
いつもなら顕嵐はまだ寝ている。
なのに今日は違った。
ベッドに座り、考え込んでいるようだった。
『顕嵐、行こう』
顕「俺まだ不安なんだ、ユイとちゃんと話せるか」
『顕嵐なら大丈夫だよ。顕嵐とユイさんなら』
顕「…」
『顕嵐、一緒に行こう』
顕「…うん」
顕嵐はさっきとは違う、覚悟を決めた顔をしていた。
空港までのバスの中。
顕「なんでAはいつも俺のこと助けてくれるの？」
『なんでだろう…顕嵐のことが大切だから、かな』
顕「なにそれ、」
なんて言ってるうちに着いた空港。
ユイさんは椅子に座っていた。
ユ「…顕嵐」
『ほら、顕嵐行ってきな？』
顕「うん」
そう言った顕嵐はユイさんの方にゆっくりと歩いていき、目の前に立った。
遠くから見ているだけの私には2人の会話が聞こえないけど、きっとちゃんと話せてるんだと思う。
ユイさんが泣きながら優しくわらっているから。
もう飛行機の時間みたいで、顕嵐はこちらに向かって歩いてきた。
その顔は昨日とはまるで違う清々しく、スッキリしたような、そんな顔だった。
顕嵐とユイさん見送っていると、ユイさんが私を呼んだ。
急いで走っていくと
ユ「顕嵐のことよろしくお願いします」
なんて私の耳元で悪戯に呟くからわたしはびっくりして思わず
『…はい』
と返事をしてしまった。
でも、それでよかったんだと思う。
ユイさんも顕嵐もすごく優しく笑っていたから。
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作者名：みぃこ x他1人 | 作成日時：2017年8月16日 22時
