愛音家 . (ページ22)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:67,738 hit

21 ページ22

ユイさんが帰ってすぐに顕嵐と萩ちゃんが帰ってきた。

顕嵐が部屋に入って行く。

事実を伝えるために顕嵐の部屋の前に立つ。

少し緊張して扉を叩く手を引っ込めそうになるが、ユイさんのため、顕嵐のため、意を決して扉を叩いた。

『…顕嵐、ちょっといいかな？』

顕「いいよ、入って」

『帰ってきたばっかなのにごめんね』

顕「ううん、大丈夫。どうしたの？」

『今日、ユイさんが家に来た』

顕「…は？」

『ユイさんに話を聞いたの』

顕「何勝手なことしてんだよ」

そう言う顕嵐の顔はあの時とは違う怒りを込めたものだった。

それから顕嵐に話を聞くよう説得し、ユイさんのことを話した。

『明日、アメリカに行くんだって』

顕「え？」

『空港、行って話してきな？』

顕「…。」

『ちゃんと考えて答え出したら私のとこに来て』

そう言い残し、顕嵐の部屋を出た。

正直これで顕嵐が行かないことを選んだらそれはそれでいいと思う。

でもユイさんは顕嵐のことが気がかりなまま日本を発つことになる。

複雑な気持ちのまま"明日"になってしまった。