愛音家 . (ページ20)

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あれからしばらく経って顕嵐も元通り過ごしている。

顕「…っ、なんでいんだよ…」

『ん？顕嵐どうしたの？』

顕「いや、なんでもねぇ、俺ちょっと出るわ」

『あ、わかった』

話していると急に顔色を変えた顕嵐は外に出て行った。

気になった私はカーテンの間から少し覗いて見た。

そこには顕嵐と1人の綺麗な女性の姿があった。

いけないことだと分かっているものの、好奇心には勝てない。

私は窓を開け、会話を聞いた。

顕「なんでいんだよ」

「ごめん」

顕「男と一緒にいるんじゃねぇのかよ」

「最近振られちゃった」

顕「だから俺のとこ来たってわけ？」

「ずっと顕嵐のこと忘れられなかったの」

顕「自分勝手すぎんだろ」

「ごめん」

顕「帰れ」

「…」

顕「帰れって言ってんだよ！もう二度と来んな！」

その会話からおそらくあの女性はユイさんだと分かった。

顕嵐が家に入ってきた後も外を見ていたがユイさんは悲しそうな顔をしながら帰っていった。

その日の夜、私が部屋にいると顕嵐が来た。

顕「…A」

顕嵐は困ったような顔で私の名前を呼んだ。

『どうしたの？』

顕「ユイが…来たんだ」

『そうなんだ…顕嵐は、どうしたいの？』

顕「わからない…」

『そっか』

私が呟くと顕嵐は"ごめん、それだけだから"と言い残し、自分の部屋に戻った。