7 ページ10
(Aside)
橘先生にもらったスクラブを着て、人気の少ない廊下を歩く。
さっきは話の途中で呼ばれちゃったからね。
またまた西条先生の元へ来ておりました。
『久しぶりの救命はどうだ?』
「懐かしいです」
そう言ったら笑ってたっけな。
こんな私をまた受け入れてくれた彼らに感謝しかない。
─────頑張らねば。
「─────ぅわっ」
うんうん、と一人頷いてたら体が後ろに引っ張られる。
何事かと振り返ろうとしたけど。
意外にも背中に感じたのは温もりで。
「なんで戻ってきた」
─────え?えっ、え?
耳元でする声を聞き間違えるはずもない。
ない、が。
「こ、耕作…?」
後ろから抱きしめられている、という状況が彼を全く連想させてくれず。
結局聞いてしまった。
────耕作ってこんなフレンドリーだったっけ?
4年という月日は人柄すらも変えるのかもしれない。
「向こうじゃハグなんて日常茶飯事か?」
「─────なんで不機嫌なのさ」
なんで抱きしめられたのか全くわからないけど。
とりあえず彼の機嫌が斜めなことはわかった。
「帰ってくるならなぜ連絡を入れない」
「・・・・・・・・・」
このままじゃ質問のキャッチボールになるだけだな。
そう判断して相変わらずやたら逞しい腕を退けて向き合う。
「急だったから。ごめんね」
疑わしそうな目を向けてくる彼だけど。
────ほんとに急だったんだからね。
「なにかあったのか」
「なーんにもないよ」
「嘘をつくな」
困ったもんだとため息をつかれる。
・・・むぅ。気に食わんな。
「────何もなかったらお前が帰ってくるわけないだろう」
──いつもそうだった。
耕作と2人でいると弱くなる気がする。
全部吐き出して泣きたくなる。
でも──
「ほんとに何もないんだって」
─────ごめんね。まだ言えないや。
「A」
あぁもう。
人が頑張ってるのに。
そんな声で呼ばれたら話してしまいそうになる。
673人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時雨(プロフ) - 姫乃さん» 全然大丈夫ですよ(^^)ありがとうございます!ほんとうに応援コメント嬉しすぎます!!!これからも頑張るのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年9月3日 23時) (レス) id: b12319ed65 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - cometさん» 応援のコメントありがとうございます(^^)嬉しいです!これからも頑張るのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年9月3日 23時) (レス) id: b12319ed65 (このIDを非表示/違反報告)
姫乃 - すみません!先ほどのコメントは付いていない方がでしたいいと思います!と書いたつもりだったんですが間違えてました。アンケート終わっているのにすみません。 (2018年9月3日 22時) (レス) id: 7fe36c8cdf (このIDを非表示/違反報告)
姫乃 - 私も名前付いてた方がいいと思います!この作品大好きです!これからも応援してるので無理のないペースで頑張ってください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 7fe36c8cdf (このIDを非表示/違反報告)
comet - 名前なんですが、今のままでいいと思います!展開が分からないわけでもないので大丈夫だと思います!!いつも楽しませてもらってます!更新頑張ってください!ずっと応援してます! (2018年9月2日 21時) (レス) id: fcd67c983f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:時雨 | 作成日時:2018年8月30日 12時