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(緋山side)
Aの言葉に沈黙が落ちる。
「───ま、いっか。別にここに泊まればいいわけだし」
相変わらず能天気なんだから…。
白石もダメ、Aもダメ、藤川んとこも冴島いるから明らかにダメ。
どこいけっていうわけ!?
もう藍沢んちぐらいしか残ってないじゃない!
絶対やだ。藍沢と同棲とか絶対やだ。
今日もしれ〜ってきてしれ〜って帰ってってるけどさ!
ほんっとになんで藍沢いないわけ!?
はやく戻せば───
「あっ!!!」
「おぉ!?」
「なに!」
突然大声を出したあたしに怪訝そうな顔を向ける2人。
「白石。藍沢に言った?救命戻ってこいって」
「あー、、、」
数時間前を思い出すのか途端に苦い顔をする白石。
隣のAはまた疑問符を量産。
「白石に藍沢に戻ってこいって言いにいけって言ったの」
「・・・なるほど。───よしよし、恵ちゃん」
『よしよし、恵ちゃん』
幾度となく聞いた言葉。
藍沢とケンカした時、落ち込んでる時。
いつもこの言葉をかけてたっけ。
「うん…。まぁ言ったんだけどね、」
黙って続きを待つあたし達に白石は
げんなりした顔で口を開く。
「断られた」
だよな、と脱力。
Aも苦笑いを浮かべている。
「───トロント大のレジデントだって」
「へぇ〜そりゃすご────トロント!?」
「はぁ?」
流石のAも驚いたらしく。
唖然とする姿が珍しい。
ってかさ、トロントって。
「遥日が戻ってきたと思ったら次は藍沢を引っこ抜くわけ?」
なに?嫌がらせ?
相変わらず放心してる彼女の髪をぐしゃぐしゃと乱しながら文句。
「───ちょ、ひーちゃん」
「─────まぁ仕方のないことだし。こっちはこっちでやろう。私がちゃんとフェロー育てるから!」
遥日に手を止められると同時にやたら意気込んた白石の言葉。
相変わらずの白石に苦笑していれば彼女も同じ気持ちなんだろう。
「変わんないね〜恵ちゃん」
「えぇ?」
そうふわふわと言い残して出ていく。
「───今のどういう意味かな?」
「そのまんまでしょ。一人で背負わない方がいいよ」
残されてぽかん、とする白石の肩を叩いてICUへ向かう。
────ったくさ。頼ればいいのに。
無意識だろうけど一人で頑張ろうとする白石にため息をついた。
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時雨(プロフ) - 姫乃さん» 全然大丈夫ですよ(^^)ありがとうございます!ほんとうに応援コメント嬉しすぎます!!!これからも頑張るのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年9月3日 23時) (レス) id: b12319ed65 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - cometさん» 応援のコメントありがとうございます(^^)嬉しいです!これからも頑張るのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年9月3日 23時) (レス) id: b12319ed65 (このIDを非表示/違反報告)
姫乃 - すみません!先ほどのコメントは付いていない方がでしたいいと思います!と書いたつもりだったんですが間違えてました。アンケート終わっているのにすみません。 (2018年9月3日 22時) (レス) id: 7fe36c8cdf (このIDを非表示/違反報告)
姫乃 - 私も名前付いてた方がいいと思います!この作品大好きです!これからも応援してるので無理のないペースで頑張ってください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 7fe36c8cdf (このIDを非表示/違反報告)
comet - 名前なんですが、今のままでいいと思います!展開が分からないわけでもないので大丈夫だと思います!!いつも楽しませてもらってます!更新頑張ってください!ずっと応援してます! (2018年9月2日 21時) (レス) id: fcd67c983f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2018年8月30日 12時