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「ほら、もう少し寝てないと」
俺はヌナの肩を押して、布団をかぶせてやった。
するとヌナは、さっきのことで気まずくなったのか、
布団を頭まですっぽり覆いかぶさってしまった。
「ヌナ、働きすぎです」
「過労ですって」
「ろくに寝てなかったんでしょう」
何を言っても反応がない。
しょうがない、最終兵器だ。
「俺、Aヌナが好きです」
「えっ!?」
彼女は、がばっと布団を剥いでそう叫んだ。
「あ、やっと返事した」
俺がそういうと、彼女はまたおずおずと布団にもぐり込んだ。
今度は、ぱっちりした目だけ出してくれた。
「大丈夫です。俺にしろ、とかそういうことは言いませんから」
俺は、努めて優しい声で言った。
「ただ、俺を頼ってほしいです」
ヌナは何も言わない。
俺の言葉を静かに聞いていた。
「倒れるまで仕事して、無理にヒョンのこと忘れようとしないで。俺、ヌナのためならいつでも都合のいい男になりますから!」
おいしい料理作ってあげられるでしょー?
高いところの電球も代えてあげられるでしょー?
最近免許取ったんで、ドライブにも行けます!
そうやって指折り数えていると、
ヌナはまたポロポロと涙を流した。
「ミンギュ君、ごめんね……」
心臓が、ズキンと痛む。
それは、どういう意味の『ごめん』なんだろうか。
俺はあえて聞かなかった。
聞けなかった。
「もう、ヌナ、そういう時は、ありがとうでしょ」
「うん、ありがとう…」
俺は、彼女の涙を親指でぬぐった。
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ゆかり(プロフ) - めっちゃ面白かったです!田舎のあーゆう部屋めっちゃすきです! (2018年8月18日 23時) (レス) id: 6d67b75ad8 (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - 香月さん» かーなり遅くなってすみません(>_<)はじめまして!読んでくださってありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです…(*^^*) (2017年8月8日 22時) (レス) id: 42318ae4e9 (このIDを非表示/違反報告)
香月(プロフ) - はじめまして。なんかほのぼのして面白かったです。 (2017年5月7日 17時) (レス) id: dcfc4dc8ee (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - 三代目きゃめるさん» 初めまして!読んでくださってありがとうございます(*^^*)楽しんでいただけてめちゃくちゃ嬉しいです〜!スングァン君のお話もがんばりますね(><) (2016年9月4日 11時) (レス) id: 42318ae4e9 (このIDを非表示/違反報告)
三代目きゃめる(プロフ) - 初めまして^^毎回更新を楽しみにして読ませていただきました!うぉぬくんにたくさんトキメキました> < 私もスングァンペンなので、スングァンくんとのお話楽しみにしています! (2016年9月3日 23時) (レス) id: 442be87a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三日月 | 作成日時:2016年8月28日 0時