好きなのに。【ころん】 (ページ24)

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ー Side ころんー

車の中でAのマネージャーは記事について話してくれた。

容疑者が有名な人だったため、どうしても記事にはなってしまうからせめてAの名前だけを伏せてほしいと事務所で対策をとったらしい。

今後に間違いなく影響するからだという。

まぁ、いちいちAも言われるたびに思い出すだろうし、これが僕も一番良かったんだと思う。

マネ「あのあと。話を聞いて家帰らせてシャワー浴びさせて。それでも苦しそうでした。何度も嗚咽してました。...その度に何度もころんさんの名前を呼んでいて。あの子...、まぁ、そうですね」

ころん「え？」

何か言おうとしていたはずのマネージャーは、言葉を詰まらせて軽く笑っていた。

...笑うんだ。

マネ「ころんさんに会わないようにさせてたのは私です。人気になってしまったら、いつどこでつけられているかわかりません。いつ撮られて記事になっているかわかりません。プライベートはないんです」

マネ「でも、縛りすぎていたのかもしれませんね」

マネージャーはAのことを大切に思っている。

いいマネージャーなんだ。

よかった。

マネ「着きました」

マネージャーと一緒に降りてAの部屋へ向かう。

そういえば何年か前に新しくAが引っ越してから一回もここに来ていなかった。

高層マンションの10階に住んでるらしい。

鍵を開けてくれて中に入るとAの匂い。

マネ「私はいても邪魔だと思うのでこれで失礼します。何かありましたら連絡ください。Aのことよろしくお願いします」

ころん「あ、はい。ありがとうございます」

とりあえず中に入ろう。