好きなのに。【ころん】 (ページ12)

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ー Side ころんー

『今までクリーンにやって来てたから、このひとつですごく怒られちゃって。今日ここに来るのも大変だったの』

へへっと笑ってるけど。

でも半年近くここに来なかった理由がわかった。

忙しいだけじゃなかったんだ。

ころん「で？付き合ってるの？」

『ううん、付き合ってはいないよ。去年共演してから仲良くしてる人だったの』

スマホで”AA 熱愛”と調べたらすぐ出てきた。

最近人気で色んなドラマや映画に出ている俳優だ。

背が高くて顔は爽やかイケメン。

ころん「付き合ってはいないってどういうこと？」

『え？あ、いや...うーん。それは相手に申し訳ないから』

何となく察した。

相手はAが好きなんだ。

Aが秘密の関係を持つようには思えないし、でも戸惑い気味のAは不自然すぎる。

載せられていた画像は顔はわからないものの、Aとその俳優に見えなくもない。

まぁ、話的に本人なんだろう。

ななもり「大変なんだね」

『男女で歩いてるだけで熱愛だからね。こうなっちゃったら私一生恋愛なんてできないなぁって思う。皆さんも気をつけた方がいいよ？いつ知ってる人に見つかるかわからないから』

るぅと「すごく説得力あるね...」

『でしょ～？』

そう笑う姿は寂しそうだった。

まだここまでAが人気じゃなかった頃は、よくカラオケにも行ったし、学校帰り寄り道して出かけたりもした。

それももうできない。

『まぁ、お互いそういうお仕事だから仕方ないね！好きなことお仕事にしたんだし、何も言えないもん』

学生の頃はあんなにウエディングドレス着たいって言ってたのに諦めたんだ。