57. ページ17
「俺」
掴んだ腕を離さないまま
智くんの瞳を見つめたまま
思いが、溢れる。
「本当は、気づいてたんだ。
でも、ずっとずっと、気づかないふりをしてたの。
この気持ちが、智くんに迷惑をかけるんだって思ってたし、実際に迷惑だと思ったから。
昔智くんが…いなくなっちゃったとき。俺すごく悲しくて。ずっと塞ぎ込んでたけど、でもね。
………どこかで安心した俺がいたの。」
この気持ちを、伝えなくていいんだって。
知られないまま、終わらせられたんだって。
…すごく、安心したんだ。
「…………………」
智くんの瞳は、俺を見ないまま。
どこか1点を、じっと見つめて。
「でも、俺がダメだった。
忘れらんない。どんだけ忘れようとしても。何しても。忘れらんない。でも、忘れなきゃダメなんだって、言い聞かせて。
言い聞かせて言い聞かせて………」
“…………翔くん？”
あのとき。
あのとき、貴方が
…俺を見つけてから。
忘れなきゃダメって、思ってた恋が。
終わったはずの、勝手な片思いが。
また、動き出した。
貴方が、俺を見つけたから。
また、俺は。
貴方を、忘れられなくなって。
ブワッ、と
涙が、溢れた。
拭っても、拭っても
涙は
アホみたいに止まらなくて。
「智くん、好きだ」
アホみたいに止まらない涙とともに
気持ちが、溢れた。
「貴方が、好きだ。
ずっと、ずっと好きだ。」
静かな部屋に、俺の声だけが響いて。
智くんの瞳が、大きく見開かれるのが
歪んだ視界の中で、ぼんやりと見えた。
「俺…っ、ずっと言いたくて。
でも、言えなくて。智くんには、幸せになってほしくて、でも俺は智くんの隣にいたくて。
本当は俺………っ、ん」
ぼんやりとする視界の中で、智くんがこっちを見た。
掴んでた腕は、いつのまにか掴まれて。
そのまま強く腕を引かれて
…重なる、唇。
「…………ほんと、バカだ。
翔くんも…俺、も」
キスをして、呆然とする俺の
涙でぐしゃぐしゃの顔を、見て。
智くんが、笑った。
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花咲*(プロフ) - アメリカに行ってたんですか！！お帰りなさい〜〜(*≧∀≦*)私も読み返して待っています♪ (2017年8月10日 20時) (
レス) id: 8fb606e214 (このIDを非表示/違反報告)
きのぴす(プロフ) - 花咲*さん» お待ち頂き本当に…ありがとうございます…（ ; ; ）！甘々なの頑張ります！！！！！いえい！ (2017年8月9日 0時) (レス) id: 9fc6210f20 (このIDを非表示/違反報告)
きのぴす(プロフ) - ナオさん» いやいやほんとですよ…と言いながらなんか1年も間空いてるんですけど！ほんとしゃーーーっせん！です（ ; ; ） (2017年8月9日 0時) (レス) id: 9fc6210f20 (このIDを非表示/違反報告)
花咲*(プロフ) - きのぴすさん(*≧∀≦*)更新待ってましたよ〜♪やっとだ！やっと気持ち伝えられたね〜そして、智くん男前なんだから〜////この後どーなっちゃう？甘〜いお二人がみれるの楽しみだわー(●´ω｀●)ゞｴﾍﾍ (2016年9月8日 21時) (レス) id: 8fb606e214 (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - 続きも(できれば甘々も)結末も早く読みたい！けど終わるのは寂しい！とゆうジレンマをどうすればいっすかねー(￣∀￣;) (2016年9月8日 17時) (レス) id: e992921fa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのぴす
| 作成日時：2015年1月25日 17時
