54. ページ14
「大ちゃんね、今ホテル住まいだから」
そう言って、雅紀がスマホを見ながらカーナビに何かを入力する。
「ホテル？なんで？」
「それは俺たちにも教えてくんないの。なんか仕事関係みたいなことは言ってたけど。これから別のところに引っ越すみたい」
「……ふぅん」
レッツゴー☆と発進した車の中から外を眺める。
夜景の光がビュンビュン通り過ぎて
何本もの、線に見えて。
この景色、どっかで見たな。と思って。
あ。たくさんあった智くんの作品の１つに似てるんだ。って思って。
フゥ、と息を吐き出す。
「てか、よかったのニノ。彼女さん」
「ん。今日はヘタレに構うからって言ってあったから平気」
「そっかそっか」
運転席と助手席で話すニノと雅紀の会話に、つっこむ気力もなく。
ギュウ、と手を握る。
アホみたいに緊張してるわけでもない。
今すぐ逃げ出したいくらいに思ってるわけでもない。
ただ、何故か震えが止まらなかった。
「………翔さん、さ」
そんな俺を見て、隣に座ってた潤が言った。
「思ったままを、言えばいいと思うよ。
相手のこと思うと、とかさ。グチャグチャ考えちゃうけど。でもね、相手前にするとね、案外どうでもよくなるよ、そんなの。好きなんだもん。でしょ？」
「…………おう」
さっすがイケメン。イケメンは言うこと違うね。なんて、茶化してくる前の2人に
うるさいよ。事故らないでよね、なんて
イケメンが俺をチラ見しながら照れ臭そうに言うから。
フッ、と笑いが零れて。
「な、翔さんまで笑うなよ！」
「いや、たまには潤も後輩なんだなって思える貴重な機会だなと思って」
「うるさいわヘタレ」
「おい潤ヘタレって言うな俺先輩だからな」
「ヘタレ先輩？」
「ニノは黙ってろ！」
どんどん近づくホテル。
どんどん近づく、その時。
緊張していたかもしれない瞬間に、こうやって爆笑できてんのも、こいつらがいたからだななんて。
絶対、本人たちは言わないけれど。
「…ありがと」
ボソッと言うお礼だって、きっとこいつらには聞こえてて。
それでも、何も言わずに。
バカな会話をしてガハハ！と笑うこいつらに。
ほとんどなかったちっぽけな勇気が
少しだけ、大きくなった気がした。
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花咲*(プロフ) - アメリカに行ってたんですか！！お帰りなさい〜〜(*≧∀≦*)私も読み返して待っています♪ (2017年8月10日 20時) (
レス) id: 8fb606e214 (このIDを非表示/違反報告)
きのぴす(プロフ) - 花咲*さん» お待ち頂き本当に…ありがとうございます…（ ; ; ）！甘々なの頑張ります！！！！！いえい！ (2017年8月9日 0時) (レス) id: 9fc6210f20 (このIDを非表示/違反報告)
きのぴす(プロフ) - ナオさん» いやいやほんとですよ…と言いながらなんか1年も間空いてるんですけど！ほんとしゃーーーっせん！です（ ; ; ） (2017年8月9日 0時) (レス) id: 9fc6210f20 (このIDを非表示/違反報告)
花咲*(プロフ) - きのぴすさん(*≧∀≦*)更新待ってましたよ〜♪やっとだ！やっと気持ち伝えられたね〜そして、智くん男前なんだから〜////この後どーなっちゃう？甘〜いお二人がみれるの楽しみだわー(●´ω｀●)ゞｴﾍﾍ (2016年9月8日 21時) (レス) id: 8fb606e214 (このIDを非表示/違反報告)
ナオ(プロフ) - 続きも(できれば甘々も)結末も早く読みたい！けど終わるのは寂しい！とゆうジレンマをどうすればいっすかねー(￣∀￣;) (2016年9月8日 17時) (レス) id: e992921fa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのぴす
| 作成日時：2015年1月25日 17時
