LOVE～CM (ページ31)

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31～彼女の知らない話 YH ページ31

カラオケ店の

夜シフトに

継続して入る女の子はあんまりいない。

ユナヌナは、夕方から22時まで近くの居酒屋で働い

た後、うちの夜シフトに入っているらしい。

たしかにユナヌナは綺麗だった。

でも、ユナヌナがシフトに入る日はいつもダラダラ

働くメンツが揃いも揃ってやる気を見せるので、

俺としては仕事が楽になって有難い、そんな程度だ

った。

ユナ「ユノとはよくシフトが被るよね。」

閉店作業中にそう話しかけられて、嫌なことを思い

出した。

Aと、他の男のシフトがほとんど被っている

ってだけで嫉妬してしまった自分。

今までの彼女に、こんなみっともない姿を見せたこ

とはなかった…好きで好きで、大切な彼女。

そんな事を考えていたら返事が遅れた。

YH「そう、ですかね？俺、今大学もほとんど行かな

くてよくて、暇なんです。」

ユナ「うん、聞いたよぉ。就職決まってるんだって

ね、しかもすごいとこ。」

YH 「そんな事ないですよ。」

…一体誰に？そう思ったけど、スルーした。

昔から、人から向けられる好意にはすぐ気付く。

気づいてないフリでやり過ごす術も身につけた。

ユナヌナとの間にも、当たり障りのない笑顔で、

見えない壁を作った。

それなのに、社員さんでも買収しているのか、

ユナヌナは必ず俺と同じシフトに入ってくる。

どうしようもなかった。

そして俺は失態を犯す。

不可抗力だったとはいえ、Aにあんな顔させ

るなんて…しかも。

俺が傷つけてしまったAが頼ったのは、

シム・○○○○だった。

嫉妬でおかしくなるかと思った。

正直ユナヌナの、周囲を巻き込んでの、露骨な好意

にどう対応したらいいか、わからなくなっていた。

居心地のよかったバイトが憂鬱で仕方がなかった。

事態が好転したのは年明け。

帰省のためしばらく休んでいたバイトに入ると、

ユナヌナは珍しく入っていなかった。

その後もたまに同じシフトに入っても、しつこい

誘いや露骨なアプローチは無くなった。

新たなターゲットでも見つけたかと、面倒ごとから

解放された事にホッとした。

でも今、心底自分に腹が立ってる。

俺が、解決しないといけない事だったのに。

俺が、Aの不安を取り除いてやらなきゃいけ

なかったのに。

チャンミナ、お前だったんだな、

俺の代わりになったのは。

………Aのためか。