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第八十九話 ページ43

Aside

『…何か用ですか、殺せんせー』

殺せんせー「…バレてましたか」

アジトからの帰り道、後ろの気配に声をかける。

電信柱の後ろから出て来た先生に一言。

『ストーカーなら通報しますよ』

殺せんせー「やめてください‼」

携帯を取り出すと、殺せんせーは焦って止めてきた。

『冗談ですよ。…シロの件ですか?』

殺せんせー「…シロさんについて知ってるんですか?最後の、レポートを提出するという話、あれは貴女に向けたものでしょう」

組織について情報をもらすとヤバイんだけどなぁ…。

まあ、あいつ嫌われてるしバレてもそこまでひどい目には合わないか。

一応念の為、盗聴機が着いていないかの確認をして、周りに人がいないか探る。

『…シロのコードネームは、スティンガー。二ヶ月程前に入った新参者ですが、今現在の組織(うち)の科学班の中心はあいつです』

殺せんせー「…イトナ君については?」

『資料に載っていたのを見たくらいです。会ったことはありません』

殺せんせー「シロさんの素顔を知っていますか」

『一度、幹部の顔合わせの時だけ。その時以外は、ずっとあの白い服を着ていますね。いたらすぐわかります。黒い中、あの格好は目立つから…』

ジンとかベルモットが奴を気に入らない理由の一つはそれだ。

殺せんせー「ほかには…」

『これ以上は、言えません。それとも無理に聞き出しますか?』

昼間のシロと全く同じ言葉を投げかけると、殺せんせーははぁとため息をついた。

殺せんせー「…これ以上は、聞いてもムダなようですね」

『物分りがよくて助かります』

殺せんせー「では夜矢さん、夜道は危ないので送ります」

『けっこうです。貴方も知っての通り、夜は私にとって親しんだものですから』

踵を返して、殺せんせーに手を振る。

先生は追って来なかった。

『ああそれと、私明日からまたしばらく学校行けません』

殺せんせー「…どっちですか?」

…組織か、探偵か、ということだろうか。

『黒い方で、海外へ。間違っても、暴こうとしたり妨害したりしないでくださいね。私はもう真っ黒なので』

殺せんせー「…教師として、いつか必ず引き戻してみせますよ。先生は、教師になった日に誓ったんです。絶対に、生徒から触手()を離さないと」

それだけ言い残し、殺せんせーは去った。

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紅月言葉(プロフ) - ナゾトキ姫は名探偵、僕も読んでます!! (2020年11月1日 3時) (レス) id: 2caf54bf90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たぬたぬ | 作成日時:2018年10月1日 9時

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