ヨルのネコ 2 (ページ35)

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第八十一話ページ35

降谷side

降谷「ネグローニ…って、寝たか…」

Aは机に突っ伏して寝ていた。

やはり、疲れていたのだろう。

彼女の、夜空のような紺色の髪をゆっくりのけると、あどけない寝顔が現れた。

『ん…』

起こしてしまっただろうか。

『父さん…母さん…』

寝言で苦しそうに両親を呼ぶのが聞こえ、はっと息を止めた。

彼女の長い紺色の髪は、自分が憧れた人譲りのものだ。

その髪を撫でつつ、思う。

彼女は、自分の大切な人を救ってくれた。

萩原、松田、ヒロ、伊達…自分の同期は、彼女がいなければこの世にいなかったかもしれない。

独りになっていたかもしれない。

だが、彼女の大切な人を救うことはできなかった。

彼女の父親…自分の上司であり、また尊敬する先輩だったあの人…夜矢誠を、助けることは叶わず、彼の大切な一人娘である彼女に、幼いながらに罪を背負わせてしまった。

彼女を、独りにしてしまった。

ネグローニ、NightCat…この父親に似て正義感の強い十五歳の少女に、なんと不釣り合いの称号だろう。

降谷「…夜矢さん、必ず貴方の宝物を助けてみせます」

自分はまだあまり信用されていない。

こうして側で熟睡してくれるようになったのは、かなり最近だ。

それでも、力不足でも、彼女の父親代わりになれるように。

あの人の代わりに彼女を見守っていこう。

今からでも、彼女を独りにしないために。

彼女が…彼女の命を捨てないように。

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作者はリアルでは学生で、テストのため、今日から金曜日まで更新できません。

すいません！金曜日には終わるので、午後にいっぱい更新します。