検索窓
今日:11 hit、昨日:14 hit、合計:225,796 hit

第六十四話 ページ18

Aside

____ 「……ちゃん!」

『は…』

懐かしい夢から目を覚ますと、見知らぬ天井。一瞬警戒してしまったが、傍らにいるイリーナさんの存在に、すぐに旅館だと思い当たる。

丁寧に巻かれた包帯。浴衣ということは、この傷だらけの体を見られたのだろう。

イリーナ「…あんた、不良ごときにやられるようでやってけんの?」

イリーナ「その年で、そんなに体傷だらけにして…女は体を大切にしないとダメよ」

ベルと同じこと言ってる…。

『…今日は、武器を持ってなかったので』

今日は銃はもちろん、ナイフもピックの1本さえ持ってなかった。これからはどんなときでも最低1本くらいは忍ばせておこう。

イリーナさんが更に何か言おうとした時、ガラッと襖が開いた。

カエデ「ビッチ先生!Aちゃんは…あ、目覚ましたんだ!」

神崎「夜矢さん、大丈夫?」

二人は心配そうに駆け寄って来た。

包帯だらけの体を見て、苦しげに顔を歪める。

カエデ「ごめんね、私達のせいで…」

『カエデ達のせいじゃないよ』

神崎「でも…」

『私は大丈夫だから、ね?』

起き上がり、二人の頭をぽんとたたいて微笑む。

二人はようやく安心したように笑った。

カエデ「それにしても、どうしたの?」

『なにが?』

カエデ「体傷だらけじゃん!」

神崎さんもこくこく頷いている。

『あー、探偵やってるとけっこう危ないことに巻き込まれることあるから…』

神崎「危ないこと?」

『逆上した犯人が襲いかかってくるとか。この肩のは爆弾騒ぎの時のだし』

…が、半分だ。もう半分はちょっと言えない。

カエデ「大変なんだ…。あ、渚達に知らせてくる!皆も心配してたよ!」

カエデと神崎さんはまたパタパタと出て行く。

再度イリーナさんと二人っきり。

さっき言いかけたことを、イリーナさんは言おうとしたようだが、またしても遮られた。

私の電話が鳴っている。

表示は、《安室透》。

『…イリーナさん』

イリーナ「出ないの?」

『…保護者に連絡しました?』

私の両親はいない。だから、保護者には、ベルの顔の一つを登録している。

でも、今はベルは連絡がつかない。なぜか?組織の任務で電話の電源は切っているからだ。

その場合、次の連絡先として指定したのが_安室透だ。

小五郎のおじさんにお願いしようとしたら、横から安室が書いて行ったのだ。

第六十五話→←第六十三話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (94 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
182人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紅月言葉(プロフ) - ナゾトキ姫は名探偵、僕も読んでます!! (2020年11月1日 3時) (レス) id: 2caf54bf90 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たぬたぬ | 作成日時:2018年10月1日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。