第五十八話 ページ12
Aside
カエデ「へー、祇園って奥に入るとこんなに人気無いんだ」
私達は、祇園の路地奥にいた。神崎さんの希望で。
神崎「うん。一見さんお断りの店ばかりだから、目的なくフラッと来る人もいないし、見通しがいい必要もない。だから私の希望コースにしてみたの。暗殺にピッタリなんじゃないかって」
カエデ「さすが神崎さん、下調べカンペキ!」
カルマ「じゃあここで決行」
こういう裏路地は、色んな裏取引の現場になることがある。一応調べてきたから今日はそういうのはないから安全、のはずだったんだけど…。
「ホントうってつけだ。なんでこんな拉致りやすい場所歩くかねぇ」
近寄ってきたのはガラの悪い三人組。
カエデ「‼…え?」
固まる皆…いや、一人は違うわ。
カルマ「…何、お兄さん等?観光が目的っぽくないんだけど」
「男に用はねー。女置いておうち帰んな」
カルマさんは、そう言った坊主頭の不良を電信柱に叩きつける。
…女子だけを連れていく気か。
『…奥田さん、あそこ隠れてて』
奥田「え…でも…」
『早く』
隣にいた奥田さんを奴らに見付からないよう隠す。
神崎さん達は…無理だな。隠れても見付かるだけだ。
カルマ「ホラね、渚君。目撃者いないとこならケンカしても問題ないっしょ」
『ッカルマさん!後ろ!』
グイッとカルマさんを引き寄せると、その勢いで私が前に出てしまう。
あー、バーボンに怒られる…。
頭に鈍痛。血が流れるのを感じる。
カルマ「え…⁉」
カルマさんも鉄パイプで殴られ、倒れる。
「ホント隠れやすいなココ。おい女さらえ」
カエデ「ちょ何…ムググ」
カエデと神崎さんが口を塞がれ、車にむりやり乗せられる。
私の両脇にも手がまわり、引きずられて車に放りこまれた。
ぼんやりする意識のなか、杉野さんと渚さんが殴られたのを見て、意識を失った。
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紅月言葉(プロフ) - ナゾトキ姫は名探偵、僕も読んでます!! (2020年11月1日 3時) (レス) id: 2caf54bf90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たぬたぬ | 作成日時:2018年10月1日 9時