検索窓
今日:2 hit、昨日:14 hit、合計:225,787 hit

第四十七話 ページ1

Aside

「なあ、そこ席間違えてねぇか?」

ごま塩をおにぎりにかけていると、後ろからそんな声が聞こえてきた。

女性「あらヤダ本当!ごめんなさい!私ったら他の方の席で食べものなんて広げて…すぐ片付けますわ」

ガサガサという音がして、女性が立つ。

私の向かい側の席のサングラスをかけた老人も席を立った。

そして、女性と勢いよくぶつかる。

女性「キャッ」

老人は謝りもせず歩いて行った。

『大丈夫ですか?』

女性「ありがとうね。あなたの隣だったわ。前を失礼してもいいかしら?」

『どうぞ』

後ろをチラッと見ると、見知った顔がいた。

『あ…!陣平!』

松田「あ…!」

後ろにいたのは松田刑事。私が色々あって命を助けた元爆処のエースで、今は捜査一課にいる。

その左手は、フードを深く被った隣の人の右手とパーカーに隠されていた。

『ヒソッ)もしかして容疑者護送中なの?』

陣平はぶっとふいた。

松田「な…なんでそう思った?」

『陣平のとなりの席の人…手元を隠しているからもしかしたら手錠を隠してるのかな、って』

松田「ったく…相変わらずこえーくらい察しがいいな…とにかく!今は仕事中だからもう話しかけんなよ?」

『私も修学旅行中だしね。仕事頑張れ』

以上のやり取りは全てヒソヒソ声で行われているよ。

女性「お知り合いだったの?うしろの席の方」

『ええまぁ…』

女性「よかったらあなたも一緒に食べない?」

彼女は自分が食べていたスナックをさして言う。

『私もおにぎりを食べようとしていたんです。お一ついかがですか?』

女性「いいの?そういえばあなた…どこかで会ったことあるような…」

『はいどうぞ!』

私は、今、〈中学生探偵夜矢A〉とバレないよう、だて眼鏡をつけ、髪を三つ編みお下げにして、地味めの女子生徒風にしている。変装しなくても、印象が変わると意外とバレないんだよ。

少し強引におにぎりを渡したせいか、ラップに包まれたおにぎりは落ちてしまい、また向かい側の席の人の方へ。

老人「またお前か!」

男性「まあまあ…はいどうぞ」

『すみません…』

男性が差し出してくれたおにぎりを取ろうとすると、後ろから伸びた手がヒョイと取った。

女性「ありがと〜」

第四十八話→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (94 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
182人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紅月言葉(プロフ) - ナゾトキ姫は名探偵、僕も読んでます!! (2020年11月1日 3時) (レス) id: 2caf54bf90 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たぬたぬ | 作成日時:2018年10月1日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。