0 9 / Lover(恋人) × Black. ページ42
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＿＿＿＿ああ、早く逃げないと。
この行き遅れたひとりぼっちの生活から。
「えっ！！？……
そ、そっかあ…ななちゃんも……結婚、かあ」
目の前の親友は顔をほんのり赤らめて左手のきらりと光る薬指を私に見せてくる。
「全然そんな素振りなかったから…びっくりだよ」
「えへへ〜プロポーズ突然だったんだよ〜」
「いや、うん、でもおめでとう」
「相手公務員！警察官でさあ、」なんて言う彼女に
本当に心の底からおめでとう、とは言えない。
これでとうとう私だけがおひとり様になってしまった。
高校のいつめんの中で私だけ取り残されたのだ。
「うわあ、も、最悪………雨！！！！！」
どこまでも私を馬鹿にするかのように突然雨が降る。ついでにゴロゴロと雷も。
傘なんて持ってるわけない。
周りにコンビニも何もないし。
あー終わった。なんて思って雨宿りをしていると
右手の方からすごい勢いで車のライトが近づいてきた。
「……っ、！！」
タイヤに弾かれた雨の波が私に襲い掛かろうとしてたのに、私は全くの無事だった。
その代わりに身体がふわふわと温かい。
私を包む、甘いバニラのような香り。
その人とぱちっ、と目があった。
「大丈夫？」
単純。
これ……絶対運命だって思った。
「濡れてない？」
「え、あ………、はい」
「そっか。なら良かった」
黒髪の隙間から覗くアンニュイな瞳が私に笑った。
私を咄嗟に雨から守ってくれた人は
見たこともないほどのイケメンだった。
「っえ！！！すごい濡れてる……！！」
「ああ、これくらい全然平気」
「だめですよ！風邪ひいちゃいます！！」
「ふはっ、おねーさんが濡れてないならいいわ」
「俺は近くだから、」と軽く私の頭に触れたと思ったら
その人は私が呆然突然見惚れている間にこの雨の中を颯爽と走り去ってしまった。
遠ざかっていく後ろ姿。
待って、と呼び止めようとしたら私の視界の隅に黒い傘が映り込んだ。
どうやらあの彼が置いて行ってくれたらしい。
すぐにもう１度彼の方を見たら、
彼はもう夜の闇に紛れた後だった。
…名前も連絡先も知らない。
どこに住んでいるのかも。何をしている人なのかも。
だけど私は何故かまた会える予感がした。
だから、これを運命だと思った。
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Haruno(プロフ) - シキさん» シキ様、お返事が遅くなってしまい申し訳ありません…🙇♀️🤍のお話気に入って頂けて良かったです🥹 (7月29日 19時) (
レス) id: 7ace42d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - mikuさん» miku様、お返事が大遅刻の大遅刻で大変申し訳ありません…今更…🙏🙇♀️最後まで読んでくださり本当に有難うございます…！そんな風に言って頂けて本当に嬉しい限りです🥹 (7月29日 19時) (レス) id: 7ace42d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - どのお話も最高にドキドキしました！特にラウのお話が好みすぎて…！もしよろしければ続きもみてみたいです！よろしくお願いします！ (2023年4月21日 17時) (レス) @page50 id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 全部が最高でした！続編があったら読んでみたいです(_ _) (2022年11月5日 10時) (レス) @page48 id: 9190d456fa (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - みきさん» みき様、リクエストありがとうございます…！こっちも多分なんですが、ふっかさんのお話の方が長編化の可能性あるかもです…！あくまでかもなんですが（ ; ; ） (2021年9月5日 8時) (レス) id: c65c76f5bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
| 作成日時：2021年8月12日 3時
