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僕を見る目がまた少し下がって。
僕を不安そうに見る最年長の、少し子供な部分に
ああ、本気なんだ−−って思ったら小さく笑いがこみ上げてきた。
「何笑ってんだよ」
「何でもない」
小さく風が吹いて。
宏太の金髪が靡く。
サラリと光りに反射した金髪に手を伸ばしながら
僕がさらに笑うから、宏太は不服そう。
でも、嬉しいんだもん。
叶うはずないと思ってた恋が叶って。
「で、お前はどうなんだよ」
髪を掬くうちに自然と近くなった距離。
宏太は不服そうなまま、僕に問うた。
ずっと涼介のためにあった心。
今までも、これからも、
それは変わらないと思っていた。
それなのに、こんなにも簡単に変わってしまう心に少しの不安も過ぎるけど。
でも、きっと、宏太なら大丈夫だよね?
やっと見つけた愛に目を閉じて。
ぐいっと引かれた胸の中の熱をそのままに、
数年も続いた関係を壊そうと口を開いた。
「…好きだよ」
「ん、俺もだ」
気恥ずかしさに、小さな声になったけど、宏太は嬉しそうに笑って抱きしめる腕を強めた。
今思えば、僕の恋は上手くいかないことばかりだったけど、最後には最高のハッピーエンドが待っていて。
苦しいことも乗り越えたら案外、も悪くないもんだって思えるんだ。
宏太、僕はいま、幸せです。
幸せを教えてくれてありがと。
ブルー・ソウビ【青薔薇】神の祝福・奇跡
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トルタ(プロフ) - ぽいさん» 更新も遅く、伝わりにくい文章ですがぽいさんにそう言っていただきとても嬉しく思います。コメントありがとうございます。 (2017年4月27日 19時) (レス) id: f2950f8700 (このIDを非表示/違反報告)
ぽい(プロフ) - 言葉選びが繊細で、トルタさんの人柄が手に取るように分かります...応援してます (2017年4月20日 20時) (レス) id: 97be06f220 (このIDを非表示/違反報告)
トルタ(プロフ) - A-yuy-Aさん» 自分の趣味程度の拙い文章ですがA-yuy-Aさんにそう言って頂きとても嬉しい限りです。ありがとうございます。 (2017年2月13日 23時) (レス) id: 2320849466 (このIDを非表示/違反報告)
A-yuy-A(プロフ) - こんにちは。切ない気持ちの表現とか、文章とても好きです。更新楽しみにしています。頑張って下さい。 (2017年2月13日 10時) (レス) id: 4b9d5955f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トルタ | 作成日時:2017年2月12日 22時