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ワレモコウ−たかあり ページ3

*「アイビー」の続き

*高木さんは伊野尾さん一筋が良い!という方にはあまりオススメしません






あの日からしばらくして、彼とあいつが正式に付き合い始めたことを知った。

最初こそ、俺に遠慮していたのか二人でいることは少なかったけれど、

最近は隠すことなく、二人でいることが
多くなった。





そんな二人を見て、勝手に傷つく毎日。

完全に君を失くした俺は、彼を抱きしめていた手を見るたびに、後悔に身を縋っていた。





−−はじめて彼と出会っていたときに戻れたら、
恋心なんてなくしてしまえるというのに。

はじめて彼に笑いかけられた
あの時に戻れたら…。

ああ、でも。

やっぱり、何度あの時に戻っても、どうやったって俺は彼を好きになっていた気がする。

彼には、人を蠱惑する力があったから−−





「伊野ちゃん!こっち来なよ」

「馬鹿でしょ、山田。行かねーよ!」





もう、疲れてしまった。

何もかも疲れてしまった。

はじめてだ、ここまで追い詰められたの。

楽屋のソファーに深く腰をかけ、
誰にも見つからないようにそっと目を閉じた。





「高木・・・」

何分そうしていたかはわからない。

けれど、誰かに呼ばれた気がして、
そっと目を開けた。





ふと香る、オレンジの甘酸っぱい匂い。

ふわふわとした意識の中、声のする方を探せば
少し小さめの図体に、くりくりとした目。

…見馴れた君がいた。





「有岡くん。どうかしたの?」

相手の全てを見透かしてしまいそうな、
大きくて無垢な目が俺を見た。

「高木が苦しそうだったから…」

吸い込まれそうに黒い、瞳。

その目が俺を捉えて離さない。





「苦しくなんて、ないよ」

有岡くんには非なんて何もないはずなのに、
強くなる声。

それでも怯まない君は俺の目を、じっと見詰めた。





…俺は、その目が昔から好きじゃない。

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トルタ(プロフ) - ぽいさん» 更新も遅く、伝わりにくい文章ですがぽいさんにそう言っていただきとても嬉しく思います。コメントありがとうございます。 (2017年4月27日 19時) (レス) id: f2950f8700 (このIDを非表示/違反報告)
ぽい(プロフ) - 言葉選びが繊細で、トルタさんの人柄が手に取るように分かります...応援してます (2017年4月20日 20時) (レス) id: 97be06f220 (このIDを非表示/違反報告)
トルタ(プロフ) - A-yuy-Aさん» 自分の趣味程度の拙い文章ですがA-yuy-Aさんにそう言って頂きとても嬉しい限りです。ありがとうございます。 (2017年2月13日 23時) (レス) id: 2320849466 (このIDを非表示/違反報告)
A-yuy-A(プロフ) - こんにちは。切ない気持ちの表現とか、文章とても好きです。更新楽しみにしています。頑張って下さい。 (2017年2月13日 10時) (レス) id: 4b9d5955f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トルタ | 作成日時:2017年2月12日 22時

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