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好き。【紫】 ページ6
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「お疲れ様でしたー」
そう言って、テレビ局を出る。
今日の収録はこれだけだったから、後は帰るだけ。
一歩外に出れば、街はクリスマスのライトアップで宝石のように煌めいていて、
いつもスポットライトを浴びているはずなのに、自分だけが場違いな気がしてしまう。
……君がいたら。
今、この街に、僕の隣に君がいたら、こんなに寂しい気持ちにはならなかったのに。なんて。
叶わないと分かりきった事を望んではいけませんか？
静かに降る雪に問いかけても、答えが返ってくる訳もなくて。
だから、せめて。
『僕は今も、こんなにも君を愛しています』
想いを込めたこの雪が、君にも届きますように。
街を白く染める雪に願いをかけたんだ。
fin.
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作者名：春影 | 作成日時：2016年3月30日 8時
