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嫌い。【橙】 ページ2
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冬は嫌いだ。
体が冷えると、心まで冷たくなっていく気がして、寂しくなる。
そう思っていた。
去年までは
「照史くん、おじゃましまーす。」
いきなり、部屋に入ってきた彼女。
そういえばこの前、合い鍵を渡したんだった。
そんな事を考えているうちに、彼女は炬燵に潜り込んでいる。
「ふぁ〜。あったか〜」
初雪が降ったので、そろそろ良いか、と昨日押し入れから炬燵を出しておいて良かった。
俺も暖まろうと炬燵に足を入れようとしたら、今度は彼女に抱き付かれる。
「A……どうしたん?」
彼女の背中に手を回して、囁くように聞いてみる。
「ん〜、やっぱ炬燵より、照史くんにぎゅーっとしてる方が暖かいなって思って」
んふふ、と嬉しそうに笑って胸に顔を埋めてくる君が居れば、あれだけ嫌いだった冬も少しは好きになれそうな気がしてきた。
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作者名:春影 | 作成日時:2016年3月30日 8時