1.夏とソーダと君_6 ページ6
距離のせいだろうか、ごくりと飲みこんだその音がやけになまめかしく聞こえて、ちらりと見えた肌色に落ち着いたはずのどきどきが加速した。
え、え。ほんとに、なんなんだ。
「でも」
と、そのまま釈村はわたしの顔を覗き込むように体を寄せてきた。もうわたしは戸惑うことしかできない。釈村は優しく瞳を細めて、笑み混じりにそっと、囁く。
「あながち冗談じゃないかもしれませんよ?」
「……え」
どくんと、一層強く鼓動が高鳴った。かあっと顔が熱くなるから、慌てて体を離して冷ますためにソーダに口をつける。
だけどこのストロー、さっき釈村が触れていたものだ、なんて。
さっきまで平然としていられたはずなのに。急にそんなことを意識してしまってさらにばくばくとうるさくなる心臓を鎮めるためにぎゅっと膝を抱えて、ソーダを思いっきり流し込む。だけどその涼感も通用しないくらい体が火照って仕方なかった。
多分これは、「これでもか!」とぎらつく太陽のせいだけではないんだと思う。
「ふふ」
わたしの反応を見てか釈村は嬉しそうに笑って体勢を元に戻した。
あれ、なんだかこれは、そこそこの距離で眺めていららればいいやと思っていたはずの、青春――みたいだぞ。
途端に何をどうすればいいのかわからなくなって、残りのソーダを一気に飲み干した。
「僕たち、周りからどう見られているんでしょうかね」
しゅわり、ぱちぱち。そうして胸の奥で弾けたものは、もしかすると炭酸のせいだけじゃないのかもしれない、なんて。
++++++++
オムニバス「ラブ☆レボリュ」第一弾:釈村帝人でした〜
MooNs全員分書くのが目標です。
テーマは「遠巻き女子×ソーダ×釈村」でした。
next→音済百太郎
27人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まほし(プロフ) - Alice@Shu.Ryujiさん» ありがとうございます。和南くんも近いうちにお届けできたらと思います〜 (2017年9月10日 20時) (携帯から) (レス) id: 2cdb666f4d (このIDを非表示/違反報告)
Alice@Shu.Ryuji(プロフ) - かずにゃん待ってます♪ (2017年9月5日 22時) (携帯から) (レス) id: a0d3cca6c5 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - こちらこそ、夏のさわやかさを楽しみにしています♪個人的にはモモとリーダーの話が気になります。 (2017年5月16日 14時) (レス) id: d1f03ffdf9 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - 瑠璃さん» 閲覧、コメントありがとうございます!他作品も見ていただけて嬉しいです^^ 夏の爽やかさを出していけたらと思います、お付き合いよろしくお願いいたします〜 (2017年5月15日 22時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - ほかの作品から見始めてこの小説を読みました。なんだかすごく感じのいい文章で即お気に入り決定(*´▽`*)更新頑張ってください! (2017年5月9日 14時) (レス) id: d1f03ffdf9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まほし | 作成日時:2017年5月7日 20時