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3.波とバイトと君_2 ページ14

砂浜を歩いていたら、浜に並んだサーフボードを見つける。海に視線を向けると、ボードに腹ばいになっていい波を探る人の姿もちらほら見かけた。ここからだと一人ひとりの判別はできないけど、それくらいの距離が丁度いい。きっとあの人もあの中にいるんだろうと思って、木陰に移動して腰を下ろし、太陽の熱に溶けかけたかき氷にスプーンを差した。


あの人を初めて見かけたのは、去年の夏の終わりごろだったと思う。先輩らしき人に連れられて、わたしの働く海の家にお昼ごはんを食べに来ていた。熊みたいに大きな体なのに、髪の毛と瞳の色がすごく綺麗な人だと思った記憶がある。
テーブルにお昼ごはんを運んだときに、「ありがとう」と笑った目尻でくしゃりと潰れた二つのほくろが印象的で、一年越えた今年のシーズン最初に見かけた時、あの人だとすぐに思い出したのだ。

「また見てるのか」
「え」

しゃくりと氷を口の中で噛みしめ冷たさが広がるのとほぼ同時に、後ろから声をかけられた。ごくりと飲み下す間にその人はわたしの正面に回り込んで瞳を向けたのは、さっきまで思い描いていたまさにその人。あ、いや。疾しいことをしているわけではないのに何だか恥ずかしくなって口ごもる。

「別にいいんじゃねえか。休憩中なんだろ」
「あ…はい」
「俺も休憩してたんだ。そろそろ再開しようかと思って」

そう言って彼は脇に抱えたサーフボードにちらりと視線をやった。

「調子は、どうですか?」
「あー…まあ、最初に比べれば大分上達したと思うんだが…」

わたしの質問によく日に焼けた頬をかいて、苦笑してみせる。

「まだ立つところまでいけなくて。なかなか難しいもんだな」
「そうみたいですね」
「まあ、地道に頑張るよ」

はい、と頷けば彼はまた目尻のほくろをふっと歪ませて「じゃ、また顔出すから」とボードを持って海際へと歩いて行った。その背中をじいっと見送って、はふうと息を撫で下ろす。無意識に緊張してしまっていたのだ。

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まほし(プロフ) - Alice@Shu.Ryujiさん» ありがとうございます。和南くんも近いうちにお届けできたらと思います〜 (2017年9月10日 20時) (携帯から) (レス) id: 2cdb666f4d (このIDを非表示/違反報告)
Alice@Shu.Ryuji(プロフ) - かずにゃん待ってます♪ (2017年9月5日 22時) (携帯から) (レス) id: a0d3cca6c5 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - こちらこそ、夏のさわやかさを楽しみにしています♪個人的にはモモとリーダーの話が気になります。 (2017年5月16日 14時) (レス) id: d1f03ffdf9 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - 瑠璃さん» 閲覧、コメントありがとうございます!他作品も見ていただけて嬉しいです^^ 夏の爽やかさを出していけたらと思います、お付き合いよろしくお願いいたします〜 (2017年5月15日 22時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - ほかの作品から見始めてこの小説を読みました。なんだかすごく感じのいい文章で即お気に入り決定(*´▽`*)更新頑張ってください! (2017年5月9日 14時) (レス) id: d1f03ffdf9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほし | 作成日時:2017年5月7日 20時

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