[Maruyama] １ ページ36
都内へと向かう電車
新しい路線が増えたから多少混雑は解消されたものの、混んでることに変わりはなくて
いつだったかニュースでも話題になってたこの路線
そう…痴漢が多い
だけど、私は数えるほどしか遭遇した事ない
友達とかはかなり遭遇するらしく、しょっちゅう被害に合うけど対処法方は心得てるって、話は聞いたことある
で、今…
これって…そうなの？
なんとなく、後ろを触られてるような…
鞄が当たってる？
いや…もぞもぞ動いてるよね…
「がっと手を掴んで「やめてください」って言えばいいんだよ」
そう友達が言ってたけど…
いざとなると、急にそんな事出来ない
身体の向きとか変えたくても、これだけ混んでたらそれもムリで
この電車、次の駅まで結構時間あるよね…
どうしよう…
なんだか気持ち悪くなってきた…
触られてるって事に対してもだけど、朝から体調も良くなかったし
「大丈夫ですか」
俯いてる私に対してなのか、声が聞こえた
ふと顔をあげると、優しそうな笑顔の男の人と目があった
「顔色悪いみたいですけど…」
どうしよ…触られてるって言った方がいい？
なんて、悩んでたら後ろにあった怪しい動きがなくなった
「もうすぐ着きますから、頑張って」
『…ありがとうございます…』
やっとの思いでお礼の言葉を口にして
ホームに着きドアが開いて人の波が出来る
ホントはここで降りたくないけど、さっき後ろにいた人が乗ってるかもしれないと思ったら…この車両にはいたくない
それに、この気持ち悪さをなんとかしたくて、外の空気を吸うために、波に身を任せて外へと出た
階段やエスカレーターへと動いている人の波から外れて、ホームのベンチに座る
『ふぅ…』
大きく息をした
空気が身体がの中に入ってきて、少し気分が晴れたような気がする
相変わらずホームにはたくさん人がいるけど、通勤時間にのんびりすわっている人は少なくて
ベンチが空いてて助かった
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作者名：ひ み さ | 作成日時：2018年5月9日 13時
