雨と音色 (ページ9)

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8話ページ9

すばるside

久しぶりにお布団で寝た。

ずっと家では薄い毛布1つで寝てたし

ホテルのベッドでは落ち着いて寝られへんかった。

温かい布団と毛布にくるまって寝る心地よさ。

す｢幸せやなぁ…｣

起きたら夢やったなんてことないよな。

そう思うと怖くて寝られへんなった…

ガチャ

何か1人で寝るのが怖くなって

部屋を出たけど

でもこれで誰かの部屋に行って邪魔して

また暴力ふるわれたらどうしよ…

捨てられたらどうしよ…

そう思うと怖くて足が竦んでしまった。

部屋に戻ろうかとドアの前で悩んでたら
ガチャっと音がした。

亮｢何してんの？｣

す｢亮…さん…｣

亮｢亮でええよ。それかお兄ちゃんとか(笑)｣

す｢お兄ちゃん…｣

お兄ちゃんか…

そうやんな、もうお兄ちゃんやもんな

亮｢いざ言われると恥ずかしいな/////｣

亮…お兄ちゃんは恥ずかしそうに
笑った。

す｢えへへ(笑)｣

亮｢で？そこで何してたん？｣

す｢いや…寝て、起きたら夢やった…なんてことがあったら嫌やなぁって思ったら…寝られへんなって｣

亮｢そんな心配してたんか…。大丈夫、夢やないで。俺らはもう家族やねんから｣

亮兄ちゃんが俺の頭をポンポンと
優しく撫でてくれた。

す｢家族って…ええな｣

亮｢ええよ。ケンカもするけど、仲直りできるし、楽しい｣

す｢俺にはこんな温かい家族なんておらへんかったけど、今、すごい幸せ｣

ホンマに、幸せやなぁ。

亮｢ほら、はよ寝るで｣

亮兄ちゃんに背中を押されながら
自分の部屋に戻った。

寂しいから手握ってて、なんて我儘言うたのに
亮兄ちゃんはええよ。って次の日も学校あるやろうにお腹をポンポンって優しく叩いてくれたおかげで
すぐに眠ることが出来た。