雨と音色 (ページ3)

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2話ページ3

信五side

亮の帰りが遅いのはいつものことやけど
えらい遅いなー思ってたらようやく帰ってきた。

と、思ってたらや

インターフォン鳴って開けてみると

亮が女の子抱いてる。

お姫様抱っこやで？

ちょっと苦しそうにしてるのが気になったけど

で、亮にようやった言うたら

違うし！男の子や！

そう言われたわ。

なんやー思いながらよう見たら男の子やったし

えらい華奢な男の子やわ。

｢で？どないすんねん、この子｣

亮｢分からへん…でも、苦しそうやったし｣

｢まぁ、熱でてるしな｣

実際、測ってみるとかなりの高熱で

今は氷枕と冷えピタ貼って
布団敷いて寝かせてる。

亮｢雨の中、倒れててん。何でこんなとこで倒れてたんやろ…｣

｢荷物も…全然ないしな。これだけって｣

財布と携帯が
ポケットに入ってただけ。

｢なぁなぁ、その子誰？｣

｢あ、章大…。亮が見つけてんて、倒れてたん｣

章｢へー。この雨の中倒れてたん｣

亮｢せやねん。びっくりしたけど、助けてあげな思って｣

章｢ふーん。可愛い顔してる｣

章大…お前、今何言うた。

亮｢可愛いよな！｣

亮まで…

そうやった。

うちは皆、男も女もいける奴らやからなぁ

俺がそうやったから…

でも、ちゃんと嫁と結婚してんで？

せやから、こんなにいっぱい子供生まれた訳やし

病気で先に亡くなってもうたけどな。

｢誰ですか？その子｣

わ、一番厄介なん来たな。

亮｢あ、隆兄｣

｢隆平、手出したらあかんで。まだ名前も知らんような子やからな｣

隆｢名前も何も知らへん子を…家にあげていろんなことを…ふふふ｣

やばい。

またいらんことを小説のネタにしようとしとる。

隆平の仕事は小説家。

せやから、いろいろネタになることを

身近なものから取り入れてるらしい。

でも、すぐに手出したりするから

怖いねん。

弟らにもするしな。