雨と音色 (ページ12)

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11話ページ12

すばるside

たぁ兄と別れて教室の前。

理事長は俺に挨拶した後、担任の先生に俺を預けて
どこかへ行った。

今は担任の先生が俺のことをクラスの皆に話してる。

担｢じゃ、入って｣

｢はい｣

緊張しながらも教室へと入る。

俺が入った瞬間、教室がざわめいた。

担｢はい、静かに。軽くでいいから、自己紹介できる？｣

｢はい。村上すばるです。えと…分からないことも多々ありますが…宜しくお願いします｣

担｢うん。皆、仲良くしてあげてな？村上くんの席は…あの空いてる一番後ろの席ね。大野！いろいろ教えてやれよ！｣

大｢はーい！｣

｢よ、よろしく…｣

大｢よろしく！俺、大野翔。東京育ちでさ、標準語直んないんだよ。違和感あるかもしれないけど、気にしないで｣

｢うん。こちらこそ、いろいろ分からへんから教えて欲しい｣

大｢いいよ！てかさ、めっちゃかっこいいな！女子とかめっちゃ騒いでたし｣

｢そんなことないよ…全然モテへんし｣

またまた～と言いながら
大野くんはあははと笑った。

良かった、友達になれるかは分からへんけど
優しそうな子で。

何とか、やってけそうや。

ホームルームがおわって
古典の授業。

教科書は隣の大野くん…翔に
見せてもらってる。

少しの間で、呼び捨てに出来るくらい
仲良くなってる。

なんと、村上家と仲がいいらしい。

たぁ兄が言ってた翔くんって
この翔くんやったんやな。

翔｢あ、きたきた｣

ん？

潤｢翔～！お前の弁当と俺の弁当逆なんだけど｣

翔｢え…あ、ほんとだ！(笑)｣

忠｢すばるー！大丈夫？てか翔くんと一緒でほんま良かったわ～｣

｢翔、めっちゃええ子やで｣

忠｢呼び捨てしてるし～！てかさ、俺のことたぁ兄って言うてくれてんねんで！めっちゃ可愛くない？な？｣

翔｢忠義さん、弟出来て嬉しいんですね｣

忠｢当たり前やーん！1番年下やったのにこんなにも可愛い弟できるなんて｣

めっちゃ騒いでるけど
大丈夫なん？

クラスの子達もめっちゃ見てるし。

たぁ兄と潤さん来てるからかな？

これを機に女子達の輝いた目は更に増えて

女子｢すばるくん、ライン教えて？｣

甘えた声の女子達に
囲まれることもしばしば…

その度に翔が
庇って、女子達を追い払ってくれる。