五十日 ページ5
信五side
侯「お前…何考えてんねん!」
「しゃあないやろ…」
侯「はぁ…すば子の気持ち、考えてんのか。そんなん言われて…困るのはすば子やろ」
「分かっとる…でも黙ってられへんかってん。好きやから…侯も…そうやろ?」
侯やって、好きなはずや。
侯「好きや…でも、すば子の気持ちを考えたら言えへん…困った顔を見るのは嫌や」
俺も…そうやけど…
「すば子には…俺はお兄ちゃんとしか思えへんのはわかってんねん…でもな、このまま引き下がりたくはなかった」
真剣な顔の侯の顔を真正面から
受け止めた。
侯「なんでなんやろな…好きになったらあかん相手やってわかってんのに…人間てのは欲深い生き物や…」
ほんまに…そう思う。
侯「気持ちぶつけたんなら、そのまま引き下がらんと当たって砕けろや。俺のことはええから」
「侯…。ありがとう」
優しい兄を持った。
そんなのはだいぶ前から知っていたけど
心が広い侯を本当に素晴らしいと思った。
コンコン
部屋のドアを控えめに叩く音がした。
「はい」
す「あ…私…」
すば子…
「どないしたん?」
ドアを開けるとひょこっと顔を覗かせた。
風呂上がりで少し頬が赤い…
色っぽい…
あかんあかん、変なこと考えたら…っ
す「少し…話があって…」
「お、おう…入る?」
頷いたのを確認して
部屋のドアを大きく開けた。
す「この前の…あの話…」
「あ、あぁ…」
す「正直に言うと、よく分からない。好きだけど、それは兄としてかもしれないし、でも…信ちゃんと話してると心が暖かくなる。侯兄もそうだけど…でも、信ちゃんがそばにいるとね、胸が高鳴る時があるの。」
胸が…高鳴る?
それって…
す「好きかも…」
ええええええ!!!!???
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作者名:琉羽。 | 作成日時:2018年3月16日 9時