光と闇 [青赤] (ページ16)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:23,457 hit

No.14 ページ16

すば子side

自分にはこの仕事しかない。

そう思いながら今まで頑張ってきた。

嫌なこともあったけど
話を聞いてくれる人もいて
それはそれで嬉しくて、嫌なことも忘れられた。

す｢はぁ…｣

あの人に会ってからだ。

今まで考えなかったことを
考えるようになったのは。

今日だって

本当なら田中さん相手に
身体を預けても良かった。

でも、何だか安田さんに会った時に

この人には知られたくない

そう思った。

何なの。

この感情。

私には分からない。

錦｢すば子ちゃん。どうしたの？｣

す｢え？私、何か言ってた？｣

錦｢ううん。何も言ってないけど、辛そうな顔してた｣

辛そうな顔か…

す｢そうなのかもね…｣

錦｢え？｣

す｢あ、何でもない。ごめんね。シャワー浴びてくる｣

私たちはシェアハウスで暮らしてるから
お風呂は同じ。

今の時間は誰も入っていないはずだから
入りに行こ。

そう思ってたら
錦子に遮られた。

す｢錦子？｣

錦｢私には言えませんか？｣

錦子は私を見上げてそう言った。

言えない訳では無い。

でも、

この気持ちは簡単には説明出来ないものなの。

錦子にも

村子さんにも

誰にも…

言えない。