雨_kwkm ページ7
近所のコンビニに行っていると、雨か降ってきた。あーあ、ベランダに干してた洗濯物が乾かし直しにちゃう…。
そう思って家に帰ろうと傘をさした時、コンビニの屋根の下に突っこんできた濡れ鼠は…
「たくろ一?」最近付き合いはじめた彼氏だった。
「ん、A」「たくろーヤバイ格好になってるよ…平気じゃないでしょ」
「や、平気平気」「家このへん?」「違うけど」
「じゃあうち来なよ、そのままだと風邪ひくよ!」「いいって、」「よくない!」
とりあえずたくろーを傘の中に入れて家へ走った。
(kwkm side)
「はい、入って」Aに家に連れこまれる…というと語幣があるかもしれないけれど、とにかく部屋に通された。
「タオル持ってくるから待ってて」そう言って部屋を出ていったA。1人になった途端、緊張し始める。
付き合ったとはいえ、まだキスすらしていないのだ。いきなり家にお邪魔してしまった。これはまずいんじゃないか?いや、何がまずいか分からないけど。
悶々としているうちに、Aが戻ってきた。
「はい、これ使って!あと、服は乾燥機かけてくるから脱いでおいて」
そう言ってテキパキ動くA。言われるままに服を脱ぐ。下着だけになると、「これ着て」と言ってスウェットを渡してくれた。ありがたく借りることにして着替えると、やっと落ち着くことができた。
「はい、ホットミルク。あったまるよ」
「ありがと……」
マグカップを受け取ると、両手で包んだ。じんわりとした温かさが伝わって、冷えていた体が少しずつほぐれていくような気がする。
「あの、ごめん」「え?」
「いきなり来ちゃったやん…」
「なんで謝るの?」「いや、迷惑かけてるなと思って」
「別にいいよ。それに、一緒にいたかったし」「えっ」予想外の言葉に驚いてしまった。
「たくろーが心配だし。あ、私もちょっと休憩したいから」
そう言う彼女の耳は真っ赤に染まっていて……
「なあ、A」
「うん?なあに?」
「好き」そう伝えると、彼女は照れくさそうにはにかんで、こう言った。
「知ってる」 そう言うと、彼女は俺の頬に軽くキスをした。
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作者名:ねーこ | 作成日時:2023年6月11日 16時