二人の愛は揺るがない【R.Y】 (ページ9)

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8.合格ページ9

ニコニコ笑う先輩が、さっきまでは鼻血ものだったのに、今は違う意味で鼻血が出そうだ。

怯えが顔に出ないように取り繕いながら、私は口を開いた。

「あ、はい。かっこいいと思います」

逆にあれをかっこいいと思わない人いるの？

そう思い、素直な気持ちを口にした。

だが私はそこらの女子のような邪な感情は一切ありません！だから許してください！(なにを)

先輩の反応を待っていると、突然がしっ、と両手を掴まれた。

「合格！」

…え？かわいい。

じゃなくて、何が合格…？

私の頭の上のはてなマークが見えたのか、先輩はちゃんと説明してくれた。

「今、ちゃんと仕事ができる子を生徒会にスカウトして回ってるんだけど、君はA中学でも評価が高かったって聞いてるし」

生徒会にスカウト⁉

入る気なぞさらさらなかった私は驚いてしまう。

え、どうしよう…でも、そうか、先輩達目当てで入ってくる無能さん達が大勢いそうだもんね…

人気者も大変だな、という同情と、わざわざ副会長自ら来てくださるなんて、なんて素晴らしい人なんだという感動が押し寄せる。

ぎゅっと握られたままの柔らかく白い先輩の手にドキドキしていると、先輩は言葉を続ける。

「なにより、涼介のことをなんとも思っていなさそうなその目！ただただ顔面がいいんだな、としか思ってなさそうな、その下心のない真っ直ぐな瞳！それが決め手だよ！」

「え、あ、はい…」

「ここに来るまでにも10人くらい声かけたんだけど、全員もれなく目ぇハートにしやがって！涼介は私のやぞ！！！」

痛い痛い！ギリギリ、と私の両手を血ぃ止まるんじゃないかというくらい絞めてくる。

てか、生徒会に入る決め手、それでいいんですか先輩…

だがこの学校では、私のような者は少ないのだろう。
皆、あわよくばと思っているのだ。