二人の愛は揺るがない【R.Y】 (ページ8)

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7.その先に待つものは死ページ8

この前の入学式から、クラスでは常に山田先輩とA先輩の話題で持ちきりだった。

「ねぇねぇ！生徒会入ろうよ！」

「入りたーい！涼介先輩にお近づきになりたい！」

「だよねぇ～！」

そう言ってくねくねしている女子達に、心の中で哀れみの目を向ける。

無駄ですよ。あの2人の間に入っていこうなんて、もはやそれは死を意味しますよ。

そう思いつつも、彼女らの着眼点には感心してしまう。まぁ本気ではないだろうけど、生徒会か。

あの生徒会長と副会長がいるのだから、それはそれは希望者が殺到するだろう。

「まぁ私は入らないけど…」

そんなことをしたら、私の存在が2人に認知されてしまうかもしれない。

そしたら、2人をこっそり観察したりできなくなる！

1年生の内は入るのはやめておこう。

そんなことを考えながら次の授業の準備をしていると、コンコン、と誰かが私の机を叩いた。

パッと顔を上げると、同じクラスの子が私を見下ろしていた。

「なんか、副会長が呼んでるよ」

「え？」

ドアの方を指差しながら言われ、そちらを向くと

「ええっ⁉」

驚き目を見開く私と目が合ったA先輩は、笑顔で軽い会釈をした。いや、破壊力！

急いで先輩の元へ向かう。

なんだ？今朝の登校時について行ってたのがバレた？
それとも用事もないのに3年の教室を1往復した事？

内心ビクビクしていると

「あ、私、生徒会副会長の山佐Aなんだけど」

「はい！知ってます」

「あは、ありがとう。君って、A中学で生徒会長やってたよね？」

「はい。やってましたけど…」

先輩めっちゃ美人…こんな至近距離で拝めるなんて鼻血ものだわ。

なんて思ってるのがバレないように、一生懸命耳を傾ける。

中学校で生徒会長やってたの、なんで知ってるんだろう。あ、生徒会だからそんなんちゃちゃっとわかるか。

直後、一生懸命傾けた耳が聴き間違えをしたんじゃないかという言葉が先輩の口から飛び出した。

「あとさ、涼介のことかっこいいと思う？」

「…へ？」

え、なになんでいきなり質問の投げる角度変えてきたの⁉

先輩の意図がわからず困惑する。

私は知っている。2人は愛し合いすぎるが故に己の世界にはお互い以外いらないと思っていることを！

答えを間違えたらその先はおそらく…死だ。