Time Stranger(第１章) (ページ10)

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「さとちゃん、ここは大きな街じゃない…それでもいいの？」

「…この街は危険だってこと？」

「オレがいってんのは収入だよ、儲かるかなんてわかんないのに」

収入？ああ、お金か
それなら多分心配ないと思うけど

サトシはそう言ってポケットから小さな革袋を取り出した

「なんですか、それ」

カズナリも目にしたことのないそれ

サトシはイタズラっぽく笑うと袋の中身を机の上にぶちまけた

「…んなっ…！！」

入っていたのは見るからに高そうな装飾品達
指輪、ブレスレット、ネックレス…

数こそ多くはないがこれを売れば相当な金額になるであろうことは素人目にもわかる

「このネックレスのチェーン…純金か？かなり古いデザインだな…」

一番ジュエリーに詳しそうなジュンがひとつひとつ品定めするように手に取っていく

「サトシ。あなた、どうしてあんなものもってたんですか？」

「んー…まぁ色々」

今度は苦笑いしてカズナリの質問から逃れるようにジュンに話しかける

「詳しいの？」

「まぁ、ある程度は」

「これ歴史上のなかなかレアな装飾品だよ、いわくつきの」

カズナリがふとマサキに目を向けると少し渋い顔をしていた

…はぁ

小さく溜息をついて、大きな手で顔を覆う
その目はやはり真剣でどこか悲しそうな色をうつしていた