Time Stranger(第１章) (ページ5)

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「潰れる！？こんないい宿なのに？」

カズナリの驚く声にジュンは嬉しそうに笑った

「そう言っていただけると嬉しいです。ただ、どうもこの街にこの宿は地味でしてねぇ」

ほら、ここの客にら土地柄か金持ちが多いんですよ
おかげさまでこの通り…閑古鳥が鳴いてまして

なるほど。確かにこの宿からは他の人の声が聞こえない

「そんな…」

「次のお客様を最後にしよう、ってね？」

「ええ。随分前に決めたんですよ」

少し寂しそうに微笑むジュンにサトシは少し俯いた
どうやらさっきの発言を申し訳なく思っているらしい
それもそうだ。この人もマサキ同様どこからどう見てもいい人なのだから

「私たちのためと思って…接待を受けていただけませんかね？」

「はい、喜んで！」

お連れ様もよろしいですかね？

そう声をかけられてサトシは慌ててコクンと頷いた

「じゃあご案内しまーーす！あ、お兄さんたち名前は？」

ニコニコとマサキに問われておずおずとサトシが口を開く

「オレ、サトシ…」

「私はカズナリです」

「そっか！じゃあサトちゃんとカズくんだ！」

あらためてよろしく！
そう言ってふたりそれぞれと握手をかわすマサキの目はキラキラと輝いていた

…なんでサトシはちゃんでオレはくんなんだろう…

「カズナリ？どうかした？」

「いえ…なんでもないですよ」

本当にどうでもいい疑問が頭に浮かんでいただけだから

「ふたりともオッケー？そんじゃ改まして、レッツゴー！！」