Time Stranger(第１章) (ページ3)

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森を抜けた先には夕暮れに染まる街があった
カズナリのいた小さな街とは違う、すごく大きな街だ

「ここで、なにをするんですか？」

「ん？なーんにも？」

サトシの発言にカズナリは口をポカンと開けた

「目的とかないんですか？」

「いやぁ、なくは無いけど…ねぇ？」

随分やる気のない答えだ

「とにかくっ！今は楽しもうよ！」

ユルユルなサトシの言葉にカズナリが反論しようと口を開きかけたところで
背後から突然声をかけられた

「お兄さんたち、旅人の人？今日の宿はウチにしない？」

声の主はニコニコとして愛想のいい長身の男性

彼が指差す先には小綺麗な小さな宿

「カズナリ…どうする？」

客引きの彼は悪い人ではなさそうだ
いや、むしろいい人オーラを振りまいている

「お兄さんたち大丈夫？なんなら宿代ベンキョーするからさ！」

そういえば、あたりもほのかに薄暗くなってきた
ここを断ってもいずれにしよ宿屋を身繕わなければならない

それにカズナリはこれ以上の野宿は避けたかった

「いいんじゃないですか？」

それにふたりの意思以前に彼はふたりを離す気はなさそうだ
客引きの彼に聞かれないように呟かれたカズナリの言葉にサトシはこくん、と頷いた

「よぉーし！決まり！じゃあオレたちの宿にレッツゴー！！」

ハイテンションな彼に引きずられるようにして宿屋へ歩く