Time Stranger(第１章) (ページ1)

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「あの、私いいましたよね？森はもう行きたくないって」

カズナリが不服そうに呟く

「言ったね」

「じゃあなんでまた森に来てるんですか！？」

今、2人の目の前にあるのは森
日もくれてきたせいでなにやら怪しい雰囲気を醸し出している

「だってここ通んなきゃ隣街いけねーんだもん」

しょーがねーじゃんか、と智は口を尖らせる

「じゃ、わかった！他の街行こう！」

「せっかくここまできたのに？」

サトシは苦笑いをうかべた

ふたりはここまで来るのに随分歩いてきた
出発したその日から３日は経っている

「それにここら辺はどこ行くにも森通るしかないよ」

なんてこった！

頭を抱えるカズナリにサトシは優しく声をかける

「大丈夫だよ、この森は普通によく人が通るし」.

それに、ほら

「手ぇ繋いでれば怖くないでしょ？」

ふたりの手はいつの間にか恋人繋ぎになっていた

「…本当に、大丈夫なんでしょうね？」

「大丈夫。それにもしなにかあってもオレが護るから」

なんで

なんでこの人の笑顔を見ると、こんな安心するんだろう

「…わかりましたよ」

「よかった、ありがとうカズナリ」

ふにゃんと柔らかい笑顔を浮かべたサトシを見てカズナリもまた微笑んだ