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youside
しょうたとお別れをしてから数日たった頃
社内では私に関する噂が広まっていた。
"深澤さんの家からAさんが出てきたらしいよ"
"彼氏いるのにありえなくない？"
私が初めて耳にしたのは
女子トイレで聞こえてきたこの会話だった。
佐久間くんやひかるくん達にも
「Aあんま気にすんなよ」と声をかけられた。
そこまで広まってるのか…
きっと辰哉の耳にも届いているんだろうな。
『じゃあ佐久間くん先帰るね、お疲れ様』
「おっちーー！！気をつけてね！！」
最近は終電逃してタクシーで帰ること多かったけど
今日は定時で上がれたため、電車で帰ることにした。
「お嬢〜さん」
会社を出て最寄りの駅まで歩く途中
後ろから聞き馴染みのある声で私の肩を叩く。
『っ……辰哉』
「よお、帰り？」
『うん、今日はもう終わり』
「じゃあ途中まで一緒に帰ろうぜえ」
辰哉は私との噂のこと、知らないのかな
またこんな並んで歩いてたら変な噂流れるのに…
立ち止まってそんなことを考えている間に前を歩いていた辰哉が振り返って「お〜い〜、早く〜」と笑ってる。
"2番線に電車が参ります…
黄色い線から離れてお待ちください"
そうだ……
この時間は通勤ラッシュ。
駅のホーム、人混みで押しつぶされそう……
黄色い線が何処にあるかすらよく分からない
しかもなんか人酔いでクラクラしてきたかも……
久しぶりの人混みに意識が遠のくなか
「手、掴んでて」
『え？』
「いいから」
辰哉が私の耳元でそう言った。
顔を上げて彼の顔を見たけど
どうやらふざけている訳ではないらしい。
でもこんな所会社の人に見られたらまた噂が広まるし……
「あー、もう」
ガシ
『っ…』
モジモジしていつまでも動かない私の手を辰哉が掴む。
「なに今更恥ずかしがってんだよ笑」
『は、恥ずかしがってなんかないし』
はあ、なんで私ってこんな時でも
可愛いこと言えないんだろう……
『でも…ありがとう』
電車の音にかき消されて聞こえてないといいな
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ねぎ(プロフ) - ゆーりんちーさん» とても励みになります、ありがとうございます(；＿；) (2022年7月30日 13時) (
レス) id: 16c272aa68 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーりんちー - すっごいドキドキしながら読んでます♪次も楽しみです (2022年7月30日 11時) (レス) @page13 id: 4b30b08088 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねぎ
| 作成日時：2022年7月29日 3時
